足元の中国景気は供給サイドがけん引役となる展開は変わらない

内需は消費も投資も低迷している一方、4月の輸出額は前年同月比+14.1%と3月(同+2.5%)から伸びが加速して6ヶ月連続で前年を上回る推移が続いており、足元の需要は外需が下支え役となっている様子がうかがえる。

このように外需が需要を下支えしていることもあり、供給サイドである4月の鉱工業生産は前年同月比+4.1%と前月(同+5.7%)から伸びは鈍化しているものの、小売売上高や固定資産投資に比べて高い伸びで推移しており、足元の景気は引き続き供給サイドがけん引役である状況は変わらない。

前月比は+0.05%と前月(同+0.28%)から大幅にペースが鈍化しているものの、緩やかながら拡大が続いている。

なお、鉱工業生産についても統計公表に合わせて過去1年分の季節調整値が遡及改訂されているものの、小幅な下方修正にとどまっている。

分野別の動きをみると、製造業(前年比+4.0%)は底堅い動きをみせた。なかでもハイテク製造業(同+12.8%)は伸びが加速するなど生産活動をけん引する状況が続いている。

その一方、中東情勢の緊迫化を受けたエネルギー需要の高まりは鉱業部門の生産を押し上げたものの、4月(前年比+3.8%)は伸びが鈍化した。

一方、電力などエネルギー関連(同+5.3%)は堅調に推移するなど、エネルギー需要の高まりが生産活動を下支えしている様子がうかがえる。

財別では、習近平指導部が推進する新質生産力のほか、サプライチェーンの自立自強への取り組みを反映して集積回路(前年比+22.1%)や産業用ロボット(同+15.1%)の生産は引き続き高い伸びをみせている。

サービス業においてもロボット化の動きが進んでいることを反映してサービスロボット(前年比+12.3%)も堅調に推移するなど、中国経済におけるロボティクスの広がりを示唆している。

一方、中国国内における需要喚起策の効果が一巡したほか、世界的な中国製品に対する警戒感の高まりも反映して自動車(前年比▲2.6%)、マイコン(同▲9.3%)、携帯電話(同▲0.4%)の生産は軒並み低迷しているほか、太陽光電池(同▲25.6%)も大きく下振れしている。

不動産市場の不透明感が続くなかで粗鋼(前年比▲2.8%)、銑鉄(同▲3.6%)、鋼材(同▲1.7%)のほか、板ガラス(同▲7.9%)、セメント(同▲10.8%)の生産も軒並み前年を下回る推移が続いており、中国国内における過剰生産能力の縮小に向けた取り組みも生産の足かせとなっている。

一方、原油高が長期化するなかで中国当局は石油製品の国内供給を優先する姿勢をみせるなか、在庫が積み上がっていることを受けて精製マージンが低迷している模様であり、石油精製量は前年比▲5.8%と低迷している。

エネルギー価格の上習を受けて需要が低迷していることも影響している可能性がある。