(ブルームバーグ):米アルファベット傘下のグーグルは19日、象徴的な検索ボックスを刷新し、新たな人工知能(AI)コーディングツールを追加すると発表した。AI時代における影響力拡大に向けた数十億ドル規模の取り組みの最新施策となる。
グーグルは、チャットボットに入力される長めでより複雑な質問に対応しやすくするため、検索ボックスを全面改良した。さらに、関心分野の追跡や予約、健康状態の管理などを支援するエージェント機能を検索エンジンに導入する計画も明らかにした。一部機能は当初、有料契約者限定となる。

スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)はカリフォルニア州マウンテンビューで開催された年次開発者会議に登壇し、AIへの注力は「会社のあらゆる部分を活性化している」と述べ、「絶え間ない製品投入と急速な技術進歩により、極めて大きな前進の時期となっている」と指摘した。
グーグルはAI時代に向けて事業の見直しを進めており、一般利用者と法人利用者の双方の取り込みを図っている。ピチャイ氏は、AI重視への転換によって検索利用が増加したと説明した。グーグルのAIチャットボットアプリ「Gemini」の利用者数は1年で2倍超に増え、現在の月間利用者数は9億人に達している。
グーグルはまた、特に収益性が高い市場とされるAIコーディング分野で、OpenAIやアンソロピックとの主導権争いを繰り広げている。ここ数カ月、グーグル経営陣の間では、AIコーディング分野で競合に後れを取っているとの懸念が強まっていた。
同社は19日のイベントで、AIを活用したコード作成やエージェント管理のための開発者向け新ツール群を公表した。これらは「Antigravity(アンチグラビティー)」ブランドの下で展開される。Antigravityはグーグルが2025年に24億ドル(約3800億円)でスタートアップのウィンドサーフから人材と技術を取得した後に公開したプラットフォームだ。グーグルはまた、主力AIモデルの新バージョン「Gemini 3.5 Flash」も発表した。コーディング向けとして過去最高のモデルだと位置づけている。
グーグルによると、同モデルは一部指標で競合製品より高速で、より低コストで利用できる。性能を高めた上位版「pro」モデルは社内で利用されており、来月一般公開する予定としている。
同社はコーディング機能をグーグル検索にも組み込む。有料AIプラン契約者は、結婚式の準備や新たなフィットネス習慣の管理などに使えるカスタムダッシュボードを検索内で作成できるようになる。
同社はまた、開発者向けにAIツールへのアクセスを拡大する新たなサブスクリプション(定額制)プランも導入した。料金は月額100ドル。
こうした段階的な機能投入により、無料版と有料版のグーグル検索の差は広がりつつある。ただ、知識・情報部門の上級副社長ニック・フォックス氏は、無料利用者向けサービスにも引き続き注力する姿勢を強調した。「世界中の何十億人もの利用者に検索を提供し続けることに強くコミットしている」とインタビューで述べた。
別の新モデル「Gemini Omni」も発表した。グーグルによると、「あらゆる入力から何でも作成できる」という。画像、音声、動画、テキストなどのプロンプトから動画を生成できるほか、平易な会話表現で動画編集も可能となる。将来的には画像や音声の生成にも機能を広げる見通しだ。

AI生成動画の台頭を踏まえ、グーグルはディープフェイクのラベル付けを強化する。ピチャイ氏は、自身がOpenAIのサム・アルトマンCEOとテスラのイーロン・マスクCEOと食事をしている画像を示した上で、「明らかに偽物だ。私はハンバーガーを食べない」と語った。
同社はAIを試したい消費者向けの拠点としてGeminiをアップデートした。有料契約者は、その日の予定をまとめてパーソナライズされた朝の要約「Daily Brief」を利用できるほか、来週からは、アシスタント機能「Gemini Spark」にもアクセス可能となる。
グーグルのジョシュ・ウッドワード副社長は19日に公開したブログ投稿で「SparkはGeminiにとって大きな転換点となる。質問に答えるだけのアシスタントから、利用者の指示の下で実際の作業を代行する能動的なパートナーへと変えるものだ」と述べた。
原題:Google Revamps Search for AI Era, Debuts Coding Tools (3)(抜粋)
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