(ブルームバーグ):キオクシアホールディングスが投資家層拡大へ準備している米国預託株式(ADS)の米上場を巡り、株式流動性の一段の向上が期待されている。異なる証券でアービトラージ(裁定取引)が増加するとの見立てだ。
キオクシアHDは普通株対象のADS上場を準備していると15日発表。投資家層の拡大や企業価値の向上を目指すとした。オルタス・アドバイザーズのアンドリュー・ジャクソン日本株式戦略責任者は、より低コストでの株式交換ができるADSの上場で、裁定取引の機会が増えると予想した。メモリー銘柄の活況もあり、日米市場での流動性が拡大することが期待されると指摘する。
18日の東京株式市場でのキオクシアHD株は、ストップ高(値幅制限いっぱいの上昇)比例配分で16%上昇となった。株価は今年に入って5倍近くになり、世界の主要な銘柄で最大の値上がりとなっている。日本の上場企業の時価総額ではトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソフトバンクグループに続く4番目の企業となった。
米証券取引委員会(SEC)の資料では、ADRはADSの持ち分を証明する証書で、ADSは非米国企業が預託銀行に預けた株式に対する持ち分を示す。価格差に着目する投資家は、市場を横断して取引し必要に応じてADSと普通株を交換する。キオクシアHDでは普通株とADSの交換比率は1対10に設定されている。
AI需要の急拡大を背景に、米マイクロン・テクノロジーや米サンディスク、韓国サムスン電子といったメモリー半導体を手掛ける各社も株高の恩恵を享受している。上昇相場を好機と捉え、韓国SKハイニックスなど一部の企業は、ADRの上場に向けて動いている。
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