19日の日本市場では債券が下落(利回りは上昇)に転じた。インフレ懸念や財政拡大への警戒が根強く、再び売りが優勢となった。株式は東証株価指数(TOPIX)が4営業日ぶりに反発。円は対ドルで159円台前半へ弱含んでいる。

トランプ米大統領は複数の中東諸国の要請を受け、19日に予定していたイラン攻撃を取りやめたと明らかにした。これを受け、米長期金利は18日の取引終盤に上げを解消。原油相場が引け後に下げに転じた中、日本の債券相場は反発して始まったが、買いは続かなかった。

長期金利の指標となる新発10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い2.71%まで低下した後、上昇に転換。午後には一時2.8%と前日に記録した1996年以来の高水準に並んだ。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストはリポートで「インフレや金融政策、財政政策を巡る先行き不透明感を背景に市場参加者の投資スタンスが慎重化する中で、少額の売買でも相場が振れやすくなっている」と指摘。債券相場の上値は引き続き重いとの見方を示した。

債券

債券相場は原油価格や米長期金利の上昇一服を背景に買いが先行したが、徐々に売りに押された。新発20年債利回りは午後に6.5bp上げて、前日に付けた96年以来の高水準(3.78%)に並んだ。

BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、海外の流れを受けて相場は一時反発したものの、超長期債は高いボラティリティーの中で「売りが出れば値幅は大きくなる」と話した。

バークレイズ証券の江原斐夫氏と門田真一郎氏はリポートで、中東情勢と補正予算編成での赤字国債発行の報道をはじめとする財政懸念がインフレ・リスクプレミアムの上昇圧力として存在し続けると指摘。 20日に予定される20年債入札は「弱め」の結果を予想した。

新発国債利回り(午後3時時点)

株式

日本株相場はTOPIXが反発。金利の高止まりが意識される中、銀行や金融、知的財産(IP)関連株などの出遅れ銘柄に買いが入った。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、景気減速につながる「悪い金利上昇」は銀行株に良くないため、前日の物色は限定的だったと指摘。きょうは国内総生産(GDP)の上振れも景気の先行きを見る上で安心材料となり、金融株が買われたと説明した。

一方、電線株や電機など人工知能(AI)関連株の一角が安く、日経平均は下落に転じた。中期経営計画を発表したフジクラ株も午後に急落した。岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは、相場のけん引役になっていた半導体株の一角は上値が重くなり、銀行株への資金シフトが起きている可能性があると述べた。

為替

円相場は対ドルで159円台前半と介入が実施された4月30日以来の安値圏で推移している。

外為どっとコム総合研究所の中村勉為替アナリストは、1-3月期の実質GDPは日本銀行の利上げを後押しする内容だったが、補正予算編成の話もあり、財政拡大懸念が円売り材料になっていると指摘。「金利の上昇と中東情勢への先行き不透明感による原油高も含め、円を買う材料はない」と話した。

みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストはリポートで、日銀の6月利上げも市場で織り込みが進んでいるため「円高効果は限定的」で、当局による実弾介入やレートチェックへの警戒が数少ないドル・円の上値抑制要因と指摘した。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:アリス・フレンチ、日高正裕.

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