中国政府が米メタ・プラットフォームズによる人工知能(AI)エージェント新興企業マナスの買収阻止に動いた。同案件を巡っては、米国への技術流出を巡って中国国内で批判が出ており、当局が取引を覆す予想外の判断を示した。

国家発展改革委員会(発改委)は27日、マナスを巡る取引の中止を命じる声明を発表した。ただ、理由については法律・規制に基づく決定だとの1行のみで、詳細には触れなかった。

今回の判断は、中国で急成長するAI分野に冷や水を浴びせる可能性がある。また、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談を数週間後に控えたタイミングで下された。

メタは昨年12月、マナスを20億ドル(約3200億円)で買収すると発表。これを機に、中国当局は違法な対中投資や技術輸出の可能性を巡り調査に着手した。

当初は国際展開を目指す新興企業のモデルケースと評価されたが、その後は地政学的な競争相手である米国への重要技術の流出を招いたとの批判が高まっていた。

マナスの創業者は中国で事業を立ち上げたが、2025年に本社と主要スタッフをシンガポールへ移した。この買収案件は形式上は中国国外で実施されたものであり、中国当局がどこまで権限を行使するかは不透明だった。

調査会社DZTリサーチのテックアナリスト、ケ・ヤン氏は「今回のマナス買収阻止は重要な転機となる」と話す。その上で「マナスはシンガポール法人で創業者も当地に拠点を置いていたが、それでも撤回させられた。重要なのは法人の所在地ではないというのが中国のメッセージだ」と述べた。

マナスに関する今回の命令は、AI分野でマイクロソフトやアルファベット傘下のグーグル、OpenAI、アンソロピックなどの競合に対抗しようとしているメタにとって打撃となる恐れがある。マナス買収はAIエージェント分野でメタを主導的地位へと飛躍させる足掛かりを提供するはずだった。

もっとも、この取引をどのように解消するのかは不透明だ。メタによるマナス買収はほぼ完了している。マナスの従業員はすでにメタに加わり、資本も移転されているほか、同社の経営陣も急拡大するメタのAIチームに参加している。

匿名を条件に語った関係者によると、マナスの従業員はすでにシンガポールのメタ拠点に移っており、テンセント、真格基金、紅杉中国といった既存投資家は売却代金を受け取っている。

メタは声明で、この取引は適用される法律に準拠しており、中国の調査が解決される見込みであると述べたが、詳細は明らかにしなかった。

原題:China Blocks Meta’s $2 Billion Acquisition of AI Firm Manus (2)(抜粋)

(詳細を追加して更新します)

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