(ブルームバーグ):20年以上にわたりイーロン・マスク氏を支援してきたアントニオ・グラシアス氏が、巨額の富を築いた。
グラシアス氏が創業したシカゴ拠点のプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社バロー・エクイティ・パートナーズは、米宇宙開発企業スペースXの新規株式公開(IPO)で最大の恩恵を受けた投資家の一角となった。15日の取引終了時点で保有株式は約970億ドル(約15兆6000億円)相当に達した。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、バローの最高投資責任者(CIO)を務めるグラシアス氏の純資産は244億ドルとなった。
ビリオネア指数がグラシアス氏の資産を算定したのは今回が初めてだ。
バローの運用資金の大半は外部投資家が拠出したものだが、グラシアス氏はスペースX株を最も多く保有するファンドに大きな持ち分を保有している。スペースXの株価は12日のニューヨーク市場での取引開始から週明け15日終値までに43%上昇。さらに16日には一時17%高となった。
将来的にバローがスペースX株を保有するファンドの清算を開始し、投資家への資金返還を始める際、グラシアス氏や他のパートナーは多額のキャリード・インタレスト(成功報酬)を受け取る立場にある。
グラシアス氏は12日、CNBCのインタビューで、「個人的にはできるだけ長く持ち分を保有するつもりだ」としたうえで、スペースXは「人類史上、最も重要な企業の一つだと思う。今後どのような展開になるのか見ていく」と語った。
バローの広報担当者はコメント要請に応じなかった。
揺るがぬ支援
デトロイト生まれで移民の両親を持つグラシアス氏は、シカゴ大学ロースクール在学中にバローを設立した。同じころ、クラスメートでマスク氏とペイパル・ホールディングスで働いた経験を持つデービッド・サックス氏を通じて、マスク氏を紹介された。
その後、グラシアス氏はマスク氏の最も信頼できる支援者の一人となり、2005年にはテスラに初めて出資した機関投資家となった。バローは3年後にスペースXへ投資し、08年には経営危機に直面していたマスク氏に短期融資も実施した。
一方、マスク氏はバローの初期投資家で、1号と2号ファンドにそれぞれ200万ドルを出資した。2人は休暇を共に過ごす仲でもあり、マスク氏は昨年、政府効率化省(DOGE)と連携する移民対策タスクフォースの責任者にグラシアス氏を起用した。
原題:Musk Backer Gracias Reaches $24.4 Billion Fortune on SpaceX (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.