長年の目標だった消費者物価の上昇率が2%に達したのは、ウクライナ戦争開始直後の2022年4月のことでした。それから4年、物価上昇が当たり前の世の中になったものの、賃金はなかなか物価に追いつかず、成長力もなかなか高まりません。経済の「実質」の改善を、より重視する局面に入ってきています。
消費者物価 2か月連続2%割れ

24日に発表された3月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が、前年同月比で1.8%の上昇となり、1月の1.6%に続き、2か月連続で目標とする2%を下回りました。
生鮮を除く食料が5.2%の上昇と相変わらず高い上昇率だった一方で、ガソリンの暫定税率廃止や電気ガス料金への補助金などの政策効果で、エネルギーが前年同月比で5.7%も下落したことが、2%割れに大きく寄与しました。
もっとも、エネルギーの下落率は、2月のマイナス9.1%から、イラン戦争による原油価格高騰を受けて、3月はマイナス5.7%へと、マイナス幅は大きく縮んでいます。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が長期化する中で、今後のエネルギー価格の上昇次第で、消費者物価は再び2%を超える可能性が高いとみられます。
日銀が重視する生鮮食品とエネルギーを除いた指数(日本版コアコア)は、前年同月比2.4上昇と一貫して目標の2%を上回っています。生鮮を除く総合指数というヘッドラインは2か月連続の2%割れですが、日本経済の地力は、すでに2%目標に到達していると見るのが自然です。
年度では2.7%の消費者物価上昇
3月の統計が出たことで、2025年度の数字も明らかになりました。
2025年度の消費者物価(除く生鮮)は前年度比2.7%の上昇でした。ちなみに2022年度は3.0%、23年度2.8%、24年度2.7%ですから、4年連続で目標の2%を相当超えています。
アベノミクスによる異次元の金融緩和をしても、全く手の届かなかった2%が、こうして、まるで魔法にでもかかったかのように実現したのです。