〈日銀は4月利上げは見送りへ、為替動向次第であることは明らかか〉
4月27-28日の日銀決定会合において、利上げが見送られる方針であると、各社が報じた。「日銀は、米国とイランの停戦交渉の行方などを会合ぎりぎりまで見極めた上で最終判断する」(時事通信)とされており、為替動向次第では利上げが実施される可能性は残っていそうだが、基本的には現状維持だろう。
3月18-19日の決定会合における「主な意見」では、「円安のパススルーの強まりに加え、物価に関するノルムが転換する下で企業の賃金・価格設定行動は積極化しており、海外要因による二次的波及、基調的物価上昇が生じやすく、意図せざるビハインドザカーブが生じるリスクがある」といった意見があり、イラン情勢悪化と原油高が円安につながり、日銀がビハインドザカーブに陥るリスクが懸念されていた。
実際には、少なくとも足元まではドル円相場は横ばいとなっており、おそらく日銀が想定していたよりも円相場は底堅かったという評価になっているのだろう。前述したように、リスク選好的な動きが強まることで、円キャリートレードが復活し、結果的に日銀がビハインドザカーブに陥るリスクは小さくない。しかし、今回の決定会合では、1~2会合は判断を遅らせることが可能であると、判断されたのだろう。
現実問題として、円相場の動向はかなり読みにくくなっている。そのため、日銀も神経質になっている可能性が高く、6月や7月の利上げ観測を意識したコミュニケーションが続きそうである。
(※情報提供、記事執筆:大和証券 チーフエコノミスト 末廣徹)