マーケットコメント
4月20日の米国市場は、イラン情勢の不透明感が続く中で小動きの展開となった。もっとも、週末にイラン革命防衛隊がホルムズ海峡を再び封鎖したと発表したことなど、全営業日(4月17日金曜日)と比べて状況は悪化したものの、株価はあまり下がらなかったという見方もできる。
ダウ平均は前日比▲0.01%で、14日ぶりの下落となったナスダック指数も同▲0.26%と、小幅な下落にとどまった。VIX指数はすでに大きく低下しており、イラン情勢悪化前の水準に達している。リスク選好的な動きは徐々に弱くなっていくと予想され、株価は横ばい圏の動きにシフトしていくだろう。市場のテーマは経済指標とFRBの利下げ判断にシフトしていく公算である。
4月20日は、債券市場も小動きだった。長期金利は前日差+0.3bp、2年金利は同+1.2bpだった。ウォーシュ次期FRB議長候補が翌日の上院銀行委員会の公聴会でFRBの独立性を強調すると報じられたことが注目されたが、市場の反応は限定的だった。金利もレンジ推移が続きそうだが、ボラティリティが低下するとキャリー収益(インカム収益)確保のための買いが徐々に出てくる可能性が高い。金利は徐々に低下していくだろう。
〈ドル円は円安リスクが高い状態が続く〉
イラン情勢が悪化した3月は「有事のドル買い」によってドル指数が上昇したが、4月に入って停戦協議が進む中でドル安が進んだ。先週から今週にかけては、ドル指数は98.0となっており、2月末の97.6に近い水準で安定してきた。「有事のドル買い」というテーマは終わり、今後の為替市場は実需による需給や各国の金融政策のスタンスに振らされる展開に戻っていくだろう。
159円前後の推移が続いているドル円については円安要因が多い。例えば、①原油価格の高止まりによる貿易赤字の影響、②物価高対策のための財政拡張リスク、③市場のボラティリティが低下する中で円キャリートレード復活の可能性、などである。
むろん、①貿易赤字や②財政リスクの問題は3月から変わっていないものの、3月はイラン情勢が悪化する中で③円キャリートレードは積極化していなかったとみられる。円キャリートレードのアンワインドが円相場の底堅さにつながっていたとすれば、円キャリートレードの復活が円安リスクを再燃させる可能性もあるだろう。
筆者は、米国の実体経済やインフレ率は予想対比で弱めの結果となり、④FRBの利下げ観測の高まりによってドル安圧力がさらに強まると予想しており、ドル円が160円を大きく超えていく可能性は低いとみているが、当面は円安方向に警戒が必要だろう。