米商品先物取引委員会(CFTC)は、対イラン戦争を巡るトランプ大統領の最近の政策転換に先立ち、不審なタイミングで行われた一連の原油先物取引について調査している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者によると、CFTCはCMEグループとインターコンチネンタル取引所(ICE)のプラットフォームで行われた原油先物の取引を調査を主導している。情報が非公開であるとして匿名を条件に語った。両取引所はデータ提出を求められたという。

それによれば、CFTCは2週間ほどの期間について、重要発表の直前に取引量が急増した少なくとも二つのケースを調べている。取引所に要請のあったデータには、取引主体を特定する識別情報が含まれている。

重要な局面で原油取引量が急増した最近の事例を受け、対イラン戦争を巡るトランプ氏のスタンス変化に関連した重要な未公表情報が、不正利用された可能性への懸念が浮上している。

CFTCとインターコンチネンタル取引所は調査についてコメントを控えた。ホワイトハウスの報道官はコメントをCFTCに委ねた

CMEは声明で「当社は市場を厳格に監視しており、取引活動の監督でCFTCと緊密に連携する」と説明。「重要なのは、市場行動の検証には、関連商品を上場しているが、可視性がほとんど、あるいは全くないポリマーケットやカルシのような予測市場を含め、全ての取引の場を含める必要がある点だ」と指摘した。

カルシはコメントを控え、ポリマーケットはこれまでのところコメント要請に応じていない。

民主党の上院議員2人はCFTCに対し、不正の可能性を調査するよう求めている。ホワイトハウスは先月、金融市場やイベントベースの予測プラットフォームで機微情報を基に取引することを控えるよう警告する内部メモを職員に配布した。

3月23日には、トランプ氏がイランのエネルギーインフラへの攻撃を延期すると表明する15分前に、数十億ドル規模の原油や株価指数先物が取引された。トランプ氏が自身のSNSに投稿したコメントを受け、原油相場は急落し、株価は急上昇した。

同様の動きは、4月7日にトランプ氏がイランとの2週間の停戦を発表する前にも確認された。発表に先立つ数時間で先物取引が増加し、その後、原油とガスの価格はいずれも下落した。

米国産原油の代表油種ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は、CMEのニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引され、国際指標の北海ブレント原油は、インターコンチネンタル取引所のICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されている。

関係者の話では、CFTCはNYMEXがニューヨークに拠点を置くためWTI取引についてはCMEから直接データを取得できる一方、ロンドンで取引されるブレントに関する要請は英金融行動監視機構(FCA)を通じて行う必要がある。FCAはコメント要請に応じていない。

民主党のウォーレン上院議員は15日の声明で「これらの不審な原油取引は、内部関係者が市場を操作しているという深刻な事例のように見受けられる」とし、CFTCと米証券取引委員会(SEC)に対し、トランプ政権当局者によるこうしたあらゆる事案を調査するよう呼び掛けた。

CFTCのミラー執行局長は3月、具体的な調査についての言及は避けつつも、不正の可能性に関して原油先物取引を監視していると述べていた。

原題:US Probes Suspicious Oil Trades Made Before Trump Pivots (3)(抜粋)

--取材協力:Charles Gorrivan、Lydia Beyoud、Jonathan Browning、Skylar Woodhouse、Katherine Doherty.

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