(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は、ユーロ圏経済について、イラン戦争を前提としたECBの基本シナリオからは逸脱しているものの、現時点で利上げに傾くほどではないとの認識を示した。
ラガルド氏は14日、国際通貨基金(IMF)の春季会合出席のため訪れているワシントンでブルームバーグテレビジョンのインタビューに応じ、「われわれは基本シナリオと逆境シナリオの中間にある」と語った。
ECBが金融引き締めに傾いているかとの問いに対し、ラガルド総裁はこれを否定し、「われわれには、金融の安定を前提とした物価の安定を示す羅針盤がある」と答えた。
中東での6週間半に及ぶ戦闘によりエネルギーコストが急騰し、景況感が悪化したことを受け、ECBはどのような対応が必要か検討している。欧州の総合インフレ率はすでに2%の目標を上回っている。焦点は、この上昇がどの程度持続するかにある。
市場では利上げは時間の問題とみられており、今年は0.25ポイント利上げが2回を超えて実施されると織り込まれている。ただ、米国とイランの和平交渉の行方が不透明な中、今月の会合での利上げ決定には慎重な見方が強まっている。
複数のECB当局者は、紛争の長期化とホルムズ海峡封鎖の影響が強まる中で、この基本シナリオが現実となる可能性は低下しているとみている。
その場合、インフレ率が4.2%でピークに達すると想定する逆境シナリオに近づくことになる。さらに状況が一段と悪化すれば、短期的なリセッション(景気後退)とインフレ率が6%を超える事態を含む深刻なシナリオも視野に入る。
「われわれは、行動にはデータが必要だと非常に明確に述べてきたが、行動をためらうことはない」とラガルド総裁は語った。
原題:Lagarde Says Europe’s Economy Has Slipped Below ECB Baseline (2)
(抜粋)
--取材協力:Nick Heubeck、Craig Stirling.
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