(ブルームバーグ):原油価格は13日の取引で上昇。米海軍がホルムズ海峡の封鎖に踏み切ったのを受け、エネルギー供給リスクの高まりが再び意識されている。ただ、停戦交渉がなお継続している可能性が示唆されたことで、上値は抑えられた。
北海ブレント先物は4.4%高の1バレル=99.36ドルで引けた。米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油5月限は2.6%高の1バレル=99.08ドルで取引を終了。
トランプ氏はこの日、ホルムズ海峡で米艦船に接近するイラン船舶を攻撃すると警告。同氏は米東部時間午前10時(日本時間午後11時)の期限経過後、SNSへの投稿で、「これらの船舶がわれわれの封鎖に少しでも接近すれば、海上で麻薬密輸船に対して用いているのと同様の手段で、直ちに排除する」と述べた。
米軍によるホルムズ海峡封鎖については、その実施や執行を巡りなお多くの不透明要因が残るものの、戦争中も続いてきたイランの原油輸出を断つ可能性がある。
もっとも、流動性が低下し、ニュースに反応して価格が大きく振れやすくなっている原油先物市場では、その後のトランプ氏の「イランはなお合意をまとめたがっている」との発言を受け、上げ幅は縮小した。
イラン側は13日時点で追加協議を確認していない。エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を巡る米国の封鎖を受け、イランは報復として船舶や港湾を攻撃対象とする可能性を示唆しており、他の産油国にとってのリスクが一段と高まっている。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「先物市場で上げ幅がやや縮小したのは、紛争の収束を見込み、原油が比較的早期に市場に戻ってくるとのシナリオを織り込んだためだ」と指摘。「しかし実際には、そのような展開にはかなり長い時間がかかる公算が大きい。仮に、明日にも供給が再開したとしてもだ」と述べた。

ICAPのエネルギースペシャリスト、スコット・シェルトン氏は「リスクを取ろうとする投資家はおそらく半減し、残っている投資家も取引規模を75%縮小している」と指摘。「週当たり1億バレルの供給が失われている計算だ。仮に米国が今回の措置を成功させるとしても、それが今週や来週に実現するとは考えにくく、イラン革命防衛隊が引き下がるとも思えない。リスクは明らかに高まっている」と語った。
2月下旬の開戦以降、トランプ政権は原油価格の沈静化に向け、緊急備蓄から過去最大規模の放出を主導するなど、複数の対策を講じてきた。しかし、そうした措置は原油価格の押し下げにはほとんど効果を上げていない。
国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は13日、イラン戦争による前例のない供給危機の深刻さは原油価格にまだ十分反映されていないが、いずれ反映されると指摘。戦闘で80を超えるエネルギー施設が損傷しており、復旧には最長で2年を要する可能性があると警告した。
UBSグループの商品アナリスト、ジョバンニ・スタウノボ氏は「イランは紛争開始以降も日量約200万バレル近い原油輸出を維持してきた」と指摘。「仮に海峡を通る流れが完全に封鎖されれば、そうしたイランの輸出も途絶する可能性が高く、原油市場は一段と逼迫するだろう」と述べた。
原題:Oil Gains as US Blocks Hormuz, Trump Says Iran Reached Out、Oil Gains as US Blocks Hormuz, Trump Says Iran Reached Out
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--取材協力:Charles Gorrivan.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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