(ブルームバーグ):財務省が9日に実施した5年利付国債入札は、最低落札価格が市場予想とほぼ一致し、波乱なく消化された。
最低落札価格は99円84銭、市場予想は99円85銭だった。大きいと不調を表すテール(落札価格の最低と平均の差)は4銭と前回(1銭)から拡大。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.58倍と過去12カ月平均(3.49倍)は上回ったが、前回(3.69倍)を下回った。債券相場の反応は限定的だった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、5年債入札はやや弱めだったが「無難な範囲内」との見方を示した。債券先物は入札結果に反応しておらず、売買の材料とはなっていないと指摘。「中東情勢の先行き不透明感が強く、金利はやや上がりやすい状況が続く」とみている。
大和証券の小野木啓子JGBデスクストラテジストも入札結果は想定の範囲内だったとした上で、日本銀行の4月の利上げ観測が残る中、5年債利回りが力強く低下する展開にはなりにくいと話した。
一方、SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、入札はやや弱めの結果だったと語る。「中東情勢の先行き不確実性の高さを考えると、もっと高い金利でないと割に合わないと考えた投資家が多かったのだろう」と言う。バンス米副大統領とイラン側の交渉が始まるまで週末まで、積極的にポジションを傾けるのは難しく、債券は「レンジ相場が続く」と予想する。
米国とイランが2週間の停戦で合意したことを受け、8日の日本市場はリスク志向が回復し、株高・円高で反応。原油高によるインフレ懸念などで売り圧力がかかっていた債券も買い戻された。しかし、合意の実効性に懸念が残り、原油相場の反発を背景に9日の債券相場は再び下落。前日に1.78%台に低下していた新発5年債利回りは1.80%台に上昇し、7日に付けた過去最高水準の1.83%に近づきつつあった。
日銀は27、28日に金融政策決定会合を開く。スワップ市場が織り込む利上げ確率は5割台となっている。
(3段落にコメントを追加して更新します)
--取材協力:ジョン・チェン.
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.