再び半導体関連株への「逃避」が進んだ

6月3日の米国株式市場は、米国とイランによる攻撃の応酬が続いて原油価格が上昇する中、全体としては軟調な展開となった。もっとも、行き場を失った投資資金が再び半導体関連株に「逃避」した模様で、ナスダック指数が10営業日ぶりに反落する中でも、SOX指数は前日比+1.4%と、最高値を更新した。イラン情勢の悪化(原油高、金利上昇)以降AI・半導体一極集中が緩和されるためには、イラン情勢の改善と長期金利の低下が必要であると思われる。中東情勢が改善せず、AI・半導体一極集中が想定以上に続く場合、局面の変化がリスクになる。中東情勢の改善は、本来は景気や株式市場全体にはポジティブな材料であっても、これまでの動きが逆回転することは市場にストレスをかけるだろう。

米金利は上昇したが、インフレ予想は安定的

6月3日の米国債券市場は、原油高が進む中、利上げ観測が高まった。長期金利は前日差+5.1bp、2年金利は同+3.9bpだった。FF金利先物市場では、年内の利上げ回数の織り込みが約0.81回と、前日の約0.71回から増加した。他方、利上げ観測の高まりによる効果もあり、長期のインフレ予想(BEI)は引き続き安定している。この日は10年BEIが前日差▲1.0bpと低下した。10年実質金利は同+6.0bpとなっており、金利上昇が実質金利主導であることは明らかである。FRBはインフレ予想を安定させることに成功していると言え、長期金利が大幅に上昇していくリスクは高くない。この日は、5月のISMサービス業PMIやADP雇用統計が堅調な結果となったことが実質金利を押し上げたが、経済成長率が加速していく可能性は低いだろう。