戦争終結向けた米国とイランの協議は、紛争開始から100日が近づく中でも、なお事態打開の糸口が見えていない。イランは5日、ホルムズ海峡の主権は同国とオマーンにあると主張した。

レバノン南部では、親イラン派武装組織ヒズボラとイスラエルの間で夜間に散発的な衝突が発生した。イランはその後も、米国との合意に至る前提として、レバノンでの停戦が必要との主張を変えていない。

イランの最高指導者モジタバ・ハメネイ師の軍事顧問はCNNに対し、凍結資産240億ドル(約3兆8400億円)の解除が米国との交渉において和平合意の条件になるとの考えを表明。「ボールはトランプ氏側にある」と述べた。

一方、トランプ米大統領はここ数カ月にわたり、イランが限界点に近づいていると繰り返し主張してきた。5日には記者団に対し、「イランとの交渉で大きな成果を上げている」と述べ、「イランが核兵器を保有できる状況にはない」と語った。

ただ、トランプ氏はウィスコンシン州訪問中にNBCとのインタビューで、イランには依然として一定のミサイルとドローン(無人機)の能力が残っていることを認めた。その直前には米国がイランの軍事能力を「完全に破壊した」と述べ、同国は「事実上、指導部を失った状態だ」と主張していた。イランにはなおミサイルの21-22%程度が残っているとの認識を示した。

同氏は5日のインタビューで「依然としてかなりの数のミサイルが残っているが、われわれが最初に攻撃した時点と比べれば大きく減っている」と語った。

米中央軍は5日夕、ホルムズ海峡に向かっていたイランの自爆型攻撃ドローン4機を撃墜したと発表した。また、「さらなる攻撃を防ぐため」、ゲシュム島などにあるイラン沿岸監視レーダー施設を攻撃したと明らかにした。米国はこれに先立ち、イランの「影の船団」の一部だとして、制裁対象の大型タンカー1隻を拿捕(だほ)したと発表した。

トランプ氏は同日早く、原油高によるガソリン価格高騰の影響について、「事態はもっと悪化するとみられていた。原油価格は今日1バレル=96ドルだったが、市場では300ドルになるとの見方もあった」とし、問題視しない考えを示した。

5日の取引で、米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は2.7%安の1バレル=90ドル近辺で終えた。中国が消費を抑制している兆候が示されたことなどが背景にある。

米イラン双方とも譲らず、協議が膠着(こうちゃく)している現状は、イランが今の痛みにより長く耐えられると判断していることを示唆している。また、米国内での政治的な逆風が強まることで、トランプ氏が一定の歩み寄りを余儀なくされるとの見方に賭けているフシもある。

イランのアラグチ外相は先に、仲介者を通じたメッセージ交換は続いているものの、「目に見える進展はなかった」と述べた。

ブルームバーグが集計した船舶追跡データによると、5日午前に海上輸送の要衝であるホルムズ海峡を通過する商船は確認されなかった。前日には双方向でそれぞれ3隻の通航が確認されていた。

米中央軍の作戦に詳しい関係者によると、米軍は過去2カ月間でホルムズ海峡を出入りした商船約1000隻を確認した。ただ、紛争前には石油・ガス輸送の要衝である同海峡を1日100隻超が通過しており、依然として大幅に少ない水準にとどまっている。

原題:US-Iran Standoff Drags On as Conflict Nears 100-Day Mark (4)(抜粋)

(米軍によるイランのドローン撃墜部分などを追加して更新します)

--取材協力:Sherif Tarek、Arsalan Shahla、Devika Krishna Kumar.

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