(ブルームバーグ):タイのエネルギー企業バンプーは、米国事業の拡大に少なくとも15億ドル(約2400億円)を投資する計画だ。データセンターの建設・拡張に伴う電力需要の急増を取り込む。
シノン・ウォンクソンキット最高経営責任者(CEO)によると、同社の米上場子会社BKVは、発電容量を約1000メガワット増強するため、ガス火力発電所の新規建設や買収を検討している。BKVを通じてテキサス州で2つのガス火力発電所を運営しているバンプーは、同州での新規発電プロジェクトや買収に注力する方針。
米国の電力消費量の増加は、人工知能(AI)やクラウドコンピューティングを支えるデータセンターの急速な拡大が一因。この傾向は今後数年間も続く見通しで、一部地域では供給が逼迫(ひっぱく)し、新規参入や発電容量拡大の機会を生んでいる。
36歳の同CEOはインタビューで、「データセンターやAIからの持続的な需要に支えられ、米国の電力事業は中核的な利益のけん引役になるだろう」と語り、「バリュエーションは上昇しているが、長期的な成長見通しが引き続き投資を正当化している」とした。
タイ最大の石炭生産会社であるバンプーは、石炭に特化した事業のほか、石炭・ガス・再生可能エネルギーを含むより広範な電力事業も展開しているが、従来の石炭事業を徐々に縮小し、より環境負荷が低く安定したガスや再エネなどへ収益源のシフトを図っている。

しかし、再エネ投資を拡大しエネルギー事業の多角化を進める中でも、石炭需要は中東の石油・天然ガス供給の混乱で増加しており、同社にとって予想外の追い風となっている。
シノン氏によると、複数の新規顧客から購入の打診を受けており、中国やインドネシアなどの鉱山での生産拡大に備えているという。
バンプーは2021年と23年にテキサス州の2つの発電所を取得。それぞれ約1500メガワットの発電能力を有する。主に同州の電力市場向けに販売している。
同社のウェブサイトによると、中国とラオス、ベトナム、オーストラリアでも発電事業を展開しており、総発電容量は約3000メガワットに上る。
原題:Banpu Plans $1.5 Billion US Power Investment on Data Center Boom(抜粋)
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