(ブルームバーグ):トランプ米大統領は3月31日、米国がイランとの戦争を2-3週間以内に終結させるとの見通しを示した。米国として軍事目標をおおむね達成したとの認識を示す一方、要衝ホルムズ海峡を巡る問題の解決は他国に委ねる考えを示唆した。
トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、「2週間以内だろう。2週間あるいは3週間かもしれない」とし、「われわれは撤退する。これを続ける理由はない」と語った。
トランプ氏はこの期間内にイランが米国と合意に達する可能性はあるとしつつも、戦争終結に合意は必須ではないとの認識を示した。イランが核兵器を取得できない状態になれば米国は撤退すると述べ、現在の体制は軍事衝突前の指導部よりも望ましいとの見方を示した。
トランプ氏は「既に体制転換は起きている。体制転換は当初の目標ではなかった。目標は一つだけだった。イランが核兵器を持たないことだ。その目標は達成された。彼らは核兵器を保有しない」と話した。
トランプ氏は米東部時間1日午後9時(日本時間2日午前10時)から国民に向けて演説を行い、イランを巡り「重要な最新情報」について話す。ホワイトハウスのレビット大統領報道官が31日のXへの投稿で明らかにした。詳細は示していない。

大統領の発言を受け、原油先物相場は小幅上昇した。米株価指数先物は上昇を維持した。
トランプ氏が示した最新の時間軸がどの程度具体性を持つかは不明だ。トランプ氏は重要な決定について2週間の期限を頻繁に提示。自身の政権に期限を設定しながら、それが過ぎても実行しないケースも多い。
また米国は過去数日に中東地域に追加部隊を展開しており、トランプ氏が方針を変更した場合には、エスカレーションの可能性も残している。
いら立ち強まる
トランプ氏は紛争開始以降ほぼ封鎖が続くホルムズ海峡の再開に向け、米国の同盟国が十分に支援していないとして、あらためて不満を示した。
事情に詳しい関係者によると、トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)加盟国やその他の同盟国に対して怒りを示している。戦争が長引く中、一部のパートナーが決定的な戦争終結に向けて十分な支援をしていないとみているという。
トランプ氏は大統領執務室で「ホルムズ海峡はどうなるのか。われわれは関与しない。こうした国々、中国、中国はやって来て、自国の美しい船に燃料を補給し、去っていく。そして自分たちで対処することになる」と発言。「われわれがそれを行う理由はない」と語った。
トランプ氏はこうした不満の一部を公の場でも示している。3月31日のSNSへの投稿で、ホルムズ海峡の実質的な閉鎖によりエネルギー供給を確保できない国々に対し、「自ら取りに行け!」とコメントした。
さらに「自国のために戦う方法を学び始めなければならない。あなたたちがわれわれを助けなかったのと同様に、米国はもはや助けに入らない」とし、原油・ガス価格の急騰や世界経済への深刻な懸念を招いている今回の戦争から、米国が距離を置こうとしている姿勢を示した。「自分たちで石油を確保せよ」とも付け加えた。
トランプ氏は停戦に向けた姿勢を一段と強める一方で、イランとの外交的な協議の進展を主張したり、攻撃拡大を示唆したりと発言が揺れている。非公開協議を理由に匿名で語った別の関係者によると、トランプ氏は現状が持続不可能であることを認識しているという。
イラン外相
イランのアラグチ外相はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラとのインタビューで、米軍とのいかなる対決にもイランは対応する用意があると述べた。アラグチ氏は米国のウィトコフ特使と直接接触したことを認めた一方で、それは「交渉を行っていることを意味しない」と強調した。
さらに、イランは米国側を全く信頼しておらず、いかなる協議も成果を生むとは期待していないとも話した。
イランのペゼシュキアン大統領は30日に行われた欧州連合(EU)のコスタ大統領との電話会談で、「戦争終結に必要な意思はある」と述べた。イラン国営通信(IRNA)が伝えた。
ただ、「侵略の再発防止に不可欠な保証」など、一定の条件が満たされるよう求めているという。これらの発言がイラン側の立場の変化を意味するのかどうかは、現時点では明らかになっていない。
イランはイスラエルやペルシャ湾周辺国への攻撃を続けており、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアも標的となっている。
ドバイ沖ではクウェートの大型タンカーが攻撃を受けた。1カ月余りに及ぶ中東の軍事衝突で、これまでで最も重大な船舶攻撃の一つだ。
米国とイスラエルもイランへの攻撃を継続しており、紛争終結に向けた外交努力に早期打開の兆しは乏しい。
中国とパキスタンは和平交渉の開始に向け、敵対行為の即時停止を含む5項目を当事国に求めることで一致した。
米国内では、ガソリン価格が平均で1ガロン=4ドルを上回り、2022年8月以来の高値を付けた。ガソリン小売価格の上昇は、11月の中間選挙を控えたトランプ氏と与党共和党にとって政治的リスクとなる。

原題:Trump Says US Will Leave Iran Within Two to Three Weeks (4)(抜粋)
(トランプ氏の演説予定やイラン外相の発言を追加して更新します)
--取材協力:Omar Tamo、Golnar Motevalli、Dan Williams、Kateryna Kadabashy、Eltaf Najafizada、Matthew Griffin.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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