ワクチンの接種状況・ワクチンに対する考え方

HPVワクチン接種状況

HPVワクチンを受けた経験について尋ねたところ、「受けた」と回答した割合は、定期接種またはキャッチアップ接種の対象となった年代を含む20~29歳では31.8%だった。

このうち、定期接種またはキャッチアップ接種の対象(以下「定期接種等対象者」とする。)である27歳以下だけについてみると、32.9%だった。

30代以降も若い年齢層ほど「受けた」の割合は高かった。一方、「聞いたことがない・知らない」は高年齢ほど高く、70~74歳では63.5%にのぼった。

「聞いたことがない・知らない」は、定期接種等対象者でも35.0%と、全体と比べれば低かったものの、十分に認知されているとはいえない。

HPVワクチンについての考え方

続いて、HPVワクチンの有効性や、ワクチンに関する考え方について回答者はどの程度同意しているのか、9つの項目について同意の程度を、5段階(非常にそう思う/そう思う/どちらともいえない・わからない/そう思わない/まったくそう思わない)で尋ね、「非常にそう思う」または「そう思う」と回答した割合を調査した。

「子宮頸がんを予防するのに有効だ」は全体で49.0%が同意していた。

次いで「女性は接種することが望ましい(36.3%)」「日本は、子宮頸がん罹患者が多い国だ(31.0%)」が続いた。

年代別にみると、いずれの項目も、年齢が若いほど同意する割合が高い。特に定期接種等対象者では、「有効性や安全性に関する情報が十分にある」「費用や接種手続きに関する情報が十分にある」が高く、ワクチンに関する情報に接するきかいが多い傾向があった。

また、「子宮頸がんを予防するのに有効だ」「安全性やリスクについて十分に研究されている」「有効性や安全性に関する情報が十分にある」等で高く、他の年代と比べてワクチンの有効性や安全性に対してポジティブにとらえる人が多いようだ。

接種状況とHPVワクチンについての考え方

次に接種状況とワクチンに対する考え方の関係をみる。

「受けた」「今後も受けるつもりはない」「今後については不明」、さらに比較のため「直近2年以内に子宮頸がん検診を受けた」をそれぞれ被説明変数とし、ワクチンに対する考え方、がんについての知識を説明変数として線形確率モデルによる回帰分析を行った。

なお、定期接種等対象者を示すダミー変数、年齢、未既婚、現在の職業は調整のため説明変数として投入した。

以上の分析の結果、ワクチンを「受けた」と有意に関連していたのは、「費用や接種手続きに関する情報が十分にある」への同意だった。

一方、「今後も受けるつもりはない」と関連していたのは、「子宮頸がんを予防するのに有効だ」への同意と、「安全性やリスクについて十分に研究されている」や「副反応等の健康被害は、インフルエンザや麻疹、風疹のワクチンと同程度だ」への非同意だった。

「今後については不明」と関連していたのは、「安全性やリスクについて十分研究されている」や「副反応等の健康被害は、インフルエンザや麻疹、風疹のワクチンと同程度だ」への同意と、「子宮頸がんを予防するのに有効だ」や「費用や接種手続きに関する情報が十分にある」への非同意だった。

なお、「受けた」「今後も受けるつもりはない」「今後については不明」は、いずれもがんについての知識では大きな特徴はみられなかった。

一方、「子宮頸がん検診を受けた」と関連していたのは、「費用や接種手続きに関する情報が十分にある」への同意と、がんについての知識のうち、「子宮頸がんのように若い世代で増えているがんもある」や「がんの早期発見・早期治療は、がん罹患後の生存率に大きく影響する」ということを「知っている」ことだった。