公務員向けに手厚い財政投入

公的年金制度に関する財政補填の状況をみると、公務員の年金制度への手厚い支援がうかがえる。2023年における公的年金への財政補填額の総額は1兆7,511億元であった。

制度別にみると、都市の会社員向けが最も多く、全体の44.1%を占めた。次いで、公務員向けが34.2%、都市・農村住民向けが21.6%となっている。

次に、各制度の収入構成に占める財政補填の割合をみると、その特徴が見えてくる。

公務員の年金制度では、収入の35.3%が財政補填によって賄われている。一方、都市の会社員の年金制度では、保険料収入が全体の81.0%を占めており、財政補填の割合は14.5%にとどまっている。

つまり、都市職工年金の中でも、公務員の年金制度は財政補填に多くを頼って運営しており、都市・会社員の年金制度は主として保険料によって運営される制度となっている。

都市・農村住民の年金制度では、収入の61.2%が財政補填によって占められている。

これは制度の基礎年金部分が主に国庫や地方政府の負担によって支えられているためであり、低所得層の老後所得を支える再分配としての機能も果たしている。

さらに、受給者1人あたりの財政補填額という観点からみると、制度間の差はより明確になる。2023年の財政補填額を受給者数で割った1人あたりの補填額は、公務員の年金制度が2,718元と最も高い。

これに対し、都市の会社員では545元、都市・農村住民では219元にとどまっている。

このように、中国の公的年金制度では、公務員の年金制度について制度設計上の優遇措置が存在するだけでなく、財政補填の面でも相対的に手厚い支援が行われていることがうかがえる。