はじめに

通勤時間の長さは、ウェルビーイングや心理的ストレスと関連があることが、世界各国の研究で指摘されている。日本においては、通勤時間が長い人ほど心理的ストレスが高い傾向が確認されている。

また、在宅勤務の頻度についても、メンタルヘルスとの関連が指摘されてきた。在宅勤務は心理的負担や健康への悪影響を指摘する研究がある一方で、在宅勤務と出社を組み合わせる、いわゆるハイブリッド勤務がメンタルヘルスと正の関連を持つ可能性を指摘する研究もある。

しかし、日本では、ハイブリッド勤務を行う層において心理的ストレスが高い傾向も確認されており、在宅勤務とメンタルヘルスの関係について一貫した知見が得られているわけではない。

そして、通勤時間の長さと在宅勤務の頻度は、それぞれ独立してメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性があるだけでなく、相互に関連しながら個人の生活構造や時間配分に影響を及ぼしていると考えられる。

したがって、これらを個別の要因として捉えるのではなく、その組み合わせに着目してメンタルヘルスとの関連を検討することが重要である。

そこで本稿では、通勤時間別にみた在宅勤務頻度とメンタルヘルスの関係、および在宅勤務頻度別にみた通勤時間とメンタルヘルスの関係を記述的に分析し、両者の関連のあり方を明らかにする。