(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁は21日、トランプ米大統領が課した関税について、米経済が負担の大半を担っているとの見方を示した。
パネッタ氏はベネチアのイベントで、「外国の輸出企業も一部を負担しているようだ。約10%と推計される」と述べ、「その影響は当初、米企業の利益マージンで吸収され、それから一部が消費者に転嫁された。現在は消費者が約半分を負担している」と指摘した。
「全体として、関税はインフレ率を0.5ポイント強押し上げたと推計されており、インフレ率は依然として米連邦準備制度の目標を上回っている」と語った。

同氏は、関税が貿易フローの地理的な大きな再編を招いているとも言及。具体的には、米国による中国からの輸入減少とメキシコやベトナム、台湾といった国・地域からの輸入増加、米国以外の市場で中国の存在感が高まっていることなどだという。
パネッタ氏は「今の世界は緊密に相互依存しており、どの国も自らを孤立させて長期的に繁栄することはできない」との考えを示すとともに、「米国はテクノロジーや軍事力、国際金融といった極めて重要な分野で依然として支配的な地位を維持」しており、「多くの国にとって、米国のエコシステム(生態系)から切り離されることは現実的な選択肢ではない」と述べた。
一方で、米国にとっても欧州は不可欠だとし、欧州は「米国の財輸出の5分の1、サービス輸出の40%を吸収し、米多国籍企業の海外利益の3分の1を生み出し、米国債を相当額保有している」と説明した。
原題:ECB’s Panetta Says Tariffs Have Damaged the US More Than Others(抜粋)
--取材協力:Antonio Vanuzzo.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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