米動画配信サービスのNetflixによる720億ドル(約11兆1700億円)規模のワーナー・ブラザース・ディスカバリー買収計画に関する米司法省の調査には、番組の取得交渉でNetflixがコンテンツのクリエイターに対し反競争的な影響力を行使している疑いも調査対象に含まれている。

20日に送付された民事調査請求のコピーをブルームバーグ・ニュースが確認した。それによれば、司法省は、この買収が「大幅に競争を減退させるか、独占を形成させる傾向を伴うことで、クレイトン法第7条またはシャーマン法第2条に違反」するかどうか判断しようとしている。事情に詳しい複数の関係者によれば、この請求は、ある独立系映画スタジオに送られたという。

これまで報じられていなかった行政召喚状の文言は、米トランプ政権がこの買収計画の調査で、通常の審査の枠組みを超えようとしていることを明確に示す。Netflixはここ数週間、政府が通常のプロセス以外のことはしていないと主張していたが、今回の請求はそれを否定するものとなる。

調査の範囲がより広範に及んでいることは、政府がNetflixとワーナー・ブラザースの取引を法廷で差し止めるかどうかを決定するまでに、さらに数カ月を要することを強く示唆している。この遅れは、ワーナー買収で競合するパラマウント・スカイダンスに有利に働く可能性がある。

Netflixのデービッド・ハイマン最高法務責任者(CLO)は「Netflixは極めて競争の激しい市場で事業を展開している。当社が独占企業である、あるいは独占を企てているという主張には根拠がない」と述べ、「われわれに独占的な力はなく、排除的な行為も行っていない。規制当局が抱く懸念の解消には、これまで同様、喜んで協力する」とコメントした。

いずれの法も適用には前例があり、調査が必ずしも連邦政府による法的措置につながるわけではない。しかし、取引の審査は通常、米反トラスト当局によって、クレイトン法のみに基づいて行われる。シャーマン法は、アルファベット傘下のグーグル、ライブ・ネイション・エンターテインメント、ビザなど、単一企業による違法な独占行為を標的にする際により一般的に使用される。

関係者によれば、司法省は、映画スタジオや映画製作者といった独立系コンテンツクリエイターとの交渉において、Netflixがその市場支配力を利用する能力について質問を投げかけている。Netflixは世界最大の有料動画ストリーミングサービスを運営しており、映画やテレビ番組の買い手としても世界最大級の規模を誇る。

Netflixは今年、番組制作に約200億ドルを投じており、その内訳はオリジナルシリーズとライセンス供与された再放送番組に分かれている。

ウォールストリート・ジャーナル紙は、司法省の審査にはNetflixの商慣行や、この取引が将来的に同社に独占力を与えるかどうかが含まれていると報じている。

Netflixの代理人を務める法律事務所スキャデン・アープス・スレート・マー・アンド・フロムのグローバル反トラスト・競争部門の責任者スティーブ・サンシャイン氏は「司法省が独禁調査を行っているという通知を受けておらず、その他の兆候も一切見られない」と述べた。

司法省は営業時間外のコメント要請に直ちには応じなかった。ワーナー・ブラザースはコメントを控えた。

原題:DOJ Probes Netflix’s Power Over Filmmakers in Warner Deal Review(抜粋)

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