(ブルームバーグ):クレジットカード会社アメリカン・エキスプレス(アメックス)と農業機器メーカーのディア、医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、新たな取締役の選任に当たって設けていた多様性基準を撤廃した。保守系のアクティビスト(物言う株主)団体が明らかにした。
ゴールドマン・サックス・グループも同様の変更を検討していることを、ブルームバーグは今週確認した。こうした動きは、保守派からの圧力が企業経営やコーポレートガバナンス(企業統治)に影響を及ぼしている最新の事例だ。
ブルームバーグ・ニュースが確認した書簡によると、アメックスは昨年10月、企業のDEI(多様性・公平性・包摂性)プログラムに反対する非営利団体ナショナル・リーガル・アンド・ポリシー・センター(NLPC)との間で、取締役候補者の選定基準から「性別、人種、民族、年齢、性的指向、国籍」に言及する文言を削除することで合意した。
NLPCの企業倫理プロジェクト責任者ポール・チェッサー氏によると、ディアは株主提案が提出された後、取締役選任規定から該当条項を削除するよう定款を変更した。J&Jについては、同社がすでに変更を行っていたことを確認したため、NLPCは追及を見送ったという。
アメックス、ディア、J&Jはいずれもコメント要請に応じなかった。NLPCはウェブサイトで、アメックスとディアの変更を公表し、両社の変更を裏付ける文書を提示した。
チェッサー氏は「企業側はすでに、DEIの潮流が逆方向に向かったことを認識している」と述べた。
企業は伝統的に代表性が低いとされてきた集団の機会均等を図る取り組みに対し、保守派の反発や法的圧力を受け、多様性に関する取り組みをここ数年後退させてきた。トランプ米大統領は第2次政権で一連の大統領令を通じ、自身が「違法なDEI」と呼ぶ取り組みの排除を主要目標に掲げ、この流れを加速させた。米連邦高裁は今月、大統領令の主要条項に対する異議申し立てを退けた。
職場における差別の監督を担う連邦規制当局、米雇用機会均等委員会(EEOC)は、差別を受けたと感じる白人男性に対し、名乗り出て雇用主を提訴するよう促している。また、同委は最近の裁判所提出書類で、ナイキの過去の採用に関するDEI目標が違法だったかどうかを調査していると明らかにした。ナイキは調査に協力しているとしている。
事情に詳しい関係者によると、ゴールドマンは取締役候補の指名に当たり検討している基準から、人種、性自認、性的指向などの多様性要素を削除する見通しだ。昨年9月にNLPCから要請を受けたことを受け、変更を検討しているという。
原題:Amex, Deere, J&J Abandon Board Diversity Rule, Activist Says(抜粋)
--取材協力:Todd Gillespie.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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