(ブルームバーグ):著名投資家のウォーレン・バフェット氏が保有する日本の大手商社株は、金や銀など貴金属価格の高騰が業績を押し上げ、2026年も勝者になる可能性がある。
国際商品市況で金のスポット価格は1月に一時1オンス当たり5595ドル、銀も121ドルと共に史上最高値を更新した。日本株市場では世界の鉱山で権益を持つなどエネルギー事業を手がける三菱商事をはじめ大手商社株に投資資金が流入し、商社を含む卸売株指数は年初来20%上昇。上昇率は東証株価指数(TOPIX)の2倍に達している。
スイスクオートのシニアアナリスト、イペック・オズカルデスカヤ氏は「金属価格と連動する商社株は引き続き堅調に推移する」と予測。相場の短期的な調整はあり得るが、「通貨価値の希薄化を見込む取引や米ドル、米国債に対する世界的な信認や需要の低下を背景に長期的な見通しは十分明るい」と言う。
世界的に分断や地政学リスクが高まり、先進国を中心に防衛力の強化など歳出拡大の必要性に迫られている。財政悪化への懸念でグローバル投資家は通貨価値の下落に備える「ディベースメント取引を活発化させ、その一環で貴金属が買われたきた経緯がある。
特にトランプ米大統領が各国に追加関税を課し、連邦準備制度理事会(FRB)への圧力、ベネズエラに対する軍事攻撃など次々と強権的な姿勢を見せており、米ドルの信認が揺らいでいる影響も受けている。
仏銀BNPパリバのデービッド・ウィルソン氏は、金は26年中に再び最高値を更新する可能性が高いとみる。一方、銀については既にピークを打った可能性があるとの認識を示した。
三菱商事や伊藤忠商事、三井物産、住友商事、丸紅の日本の5大商社は海外の鉱山に出資している。22年の発表資料によると、丸紅は米アラスカ州で探鉱事業を手掛けるカナダのヴァルハラ・メタルズの株式を約20%保有。丸紅株の年初来上昇率は32%となっている。売上高の17%を鉱物資源事業が占める三菱商事株も年初から36%上昇し、5社の中では最も高いパフォーマンスだ。
モーニングスターのアジア株式調査部ディレクター、ロレイン・タン氏は「商品価格の上昇は大手商社5社の営業キャッシュフローを押し上げる」と分析。5月はじめに予定される26年3月期決算でも、「燃料や金属価格の上昇を背景に相対的な強さが続くはずだ」とみている。
もっとも、商品市況は値動きが激しく、先行きを予想することが難しいのも事実だ。金と銀価格は1月下旬に最高値を付けた後、いずれも反落し、中長期的なボラティリティーも上昇傾向となっている。
豪ペッパーストーングループのストラテジスト、ディリン・ウー氏は商社株の短期的なパフォーマンスは「引き続き商品市況の循環や世界需要の動向、関税や世界経済の減速といった政策面の逆風に左右される」と話した。
バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは日本の5大商社株に投資しており、同社も商社株の上昇を通じて恩恵を受ける可能性がある。市場関係者の当面の注目点は、2月28日に公表されるバークシャーの年次株主向け書簡で商社に対する言及があるかどうかだ。昨年は、保有比率を引き上げる計画が示され、書簡公表後に商社株は上昇した。
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