(ブルームバーグ):英投資ファンドのパリサー・キャピタルが、TOTO株を取得し、同社に半導体部材事業の情報発信を強化するよう求めていることが分かった。人工知能(AI)ブームの恩恵を取り込むため、あまり知られていないTOTOの同事業の認知度向上を図る。
ブルームバーグが入手した資料によると、同ファンドは13日付でTOTOの取締役会に書簡を送り、ファインセラミックス部門に関する情報開示の拡充を要請した。同部門はNAND型フラッシュメモリーの製造に用いられる静電チャックを生産しており、パリサーはTOTOについて「最も過小評価され、見落とされているAIメモリによる受益者」と指摘している。パリサーは、現在TOTOの上位20位以内の株主に入るという。
TOTOはコメントを控えた。
AIインフラへの旺盛な需要を背景に、足元ではメモリー価格が急騰しており、キオクシアホールディングスなどの半導体メーカーの株価は過去最高水準に上昇している。一方でTOTOは、チャック事業に関する情報提供の欠如により、その上昇の多くを享受できていないとパリサーは主張している。
ブルームバーグの報道を受けてTOTO株は17日、一時5.5%高の6095円に上げ幅を拡大し、2021年9月以来の日中高値を付けた。
パリサーの動きは、ゴールドマン・サックスのアナリストが1月に同社のチャック製造事業の利益成長余地に着目して投資判断を引き上げ、TOTO株が1日で約10%上昇した後に明らかになった。
資料によれば、パリサーは半導体材料事業の認知度向上と資本効率の改善により、株価にはさらに55%の上昇余地があるとみている。温水洗浄便座で知られるTOTOの株価は過去5年間で約17%下落し、東証株価指数(TOPIX)を大きく下回っている。
マルチストラテジー型ファンドのパリサーは、日本で広がる株主アクティビズムの主要プレーヤーの一角を占め、近年では京成電鉄や日本郵便などにも投資してきた。同ファンドは、エリオット・インベストメント・マネジメントの元幹部ジェームズ・スミス氏が2021年に設立した。
(株価を追加しました)
--取材協力:長谷部結衣.
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