日本銀行の田村直樹審議委員は13日、金融政策運営について、今春にも2%の物価安定の目標が実現されたと判断できる可能性が十分にあるとの見解を示した。神奈川県横浜市で講演した。

田村氏は、日銀が政策判断で重視している物価の基調が2%に近づく中で、物価目標の実現を判断する最後のピースが「その定着度合い」だと指摘。3年連続で物価目標と整合的な賃上げが確認できる「この春、暖かくなってくる頃には、判断できる可能性が十分にある」と語った。

日本銀行の田村直樹審議委員

その上で、金融政策運営に関し、政策金利が1%を下回る水準では「利上げをしても、金融緩和による景気刺激効果の減衰は極めて限界的な変化に止まる」との認識を示した。物価安定目標の「持続的・安定的な実現というゴールにうまく着地させることができるよう、適時・適切に金融政策を講じていきたい」と述べた。

日銀は1月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%程度に据え置いたものの、同会合の「主な意見」では、追加利上げに前向きな政策委員の発言が目立っていた。利上げに積極的な「タカ派」とされる田村氏が今春の目標実現に言及したことで、次回の3月やその次の4月会合での追加利上げの思惑が市場で高まる可能性がある。

講演中、円相場はドルに対しやや円高方向に振れる場面があった。午後1時50分時点では153円台前半で推移している。

景気を刺激も抑制もしない中立金利について田村氏は、「最低でも1%程度だろう」としたが、具体的な水準は「政策金利を引き上げつつ、経済・ 物価の反応を見て探っていくしかない」と説明。過度な円安進展や物価高の継続、不動産価格の上昇などが国民生活に与える影響についても、丁寧に点検していくことの重要性も指摘した。

物価動向に関しては、「実際の経済活動の主体である企業や家計の予想物価上昇率を重視すべきだ」と主張した。企業や家計の予想物価上昇率が2%を上回って推移する中、2%程度で安定している欧米と異なって低い水準から上昇してきた日本では、「さらに上振れしていってしまわないか、注意が必要だ」と語った。

(発言の詳細を追加して更新しました)

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