(ブルームバーグ):13日の日本市場は株式が下落。人工知能(AI)を巡る懸念などから米国株が大幅安となった上、衆院選後の株高による短期的な過熱感もあって売りが優勢だった。円は対ドルで153円台前半で推移、債券は先物や中長期債が上昇(金利は低下)した。
前日の米国市場ではAI投資への懸念に加え、AIが既存ビジネスを代替するという「AI脅威論」も広がり、ハイテク株を中心に売られた。商品市況安やビットコイン下落も重なり、リスクオフのムードが強まった。
りそなアセットマネジメントの下出衛チーフストラテジストは日本株について「選挙後の株高の反動に加え、米テクノロジー株からの資金引き揚げが重しになっている」と述べた。
一方で下出氏は、衆院選後に「海外投資家の間で日本版FOMO(取り残される恐怖)の心理が働いている」と言い、海外株が大崩れしなければ堅調な相場が続くとみる。高市早苗政権の政策や経済成長の道筋が明確になれば、海外勢の資金が数十兆円単位で流入する余地があるとの見方も示した。
株式
株式はTOPIX構成銘柄の約8割が下落。業種では電機や情報・通信、銀行やサービスが安くなった。
米欧市場で「AI脅威論」から物流関連株が売られた流れが波及し、NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)やヤマトホールディングスが下げた。NECや野村総合研究所などソフトウエア関連も売りが膨らんだ。一方、強い業績見通しを示したキオクシアホールディングスやアシックスは大幅高だった。
午後にはトランプ米政権が鉄鋼・アルミニウム製品に対する一部関税を縮小する計画との報道を受け、米国事業にマイナスの影響が出るとの見方から日本製鉄や大和工業が大幅安となった。岩井コスモ証券の菅原拓アナリストは、米関税はこれまで鉄鋼メーカーの米国事業にプラスだとみられていた分、関税縮小による悪影響が懸念されていると語った。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、目先は政策期待や堅調な業績から上昇相場が続くとみるが、企業が4-5月に発表する来期業績見通しには注意が必要だと指摘。日本企業は来期2桁増益との見方が多い一方、今期業績が想定以上に堅調なため発射台が上がっており、「来期ガイダンスが期待に届かず失望されることはあり得る」と話した。
為替
円相場は対ドルで153円台前半で推移。朝方のリスクオフの買いが一服した後は、実需のドル買いが入った。投資家は米消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見姿勢だった。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、ドル・円は「買い戻しで上昇したものの、アジア株も下げており、リスクオフ的な展開になるとの見方から上値が重い」と述べた。米CPIはマイルドな伸びが見込まれているとし、弱めになれば利下げ観測が高まるため注目されると指摘した。
債券
債券は先物や中長期債が上昇。リスクオフの買いに加えて、財務省がこの日実施した流動性供給入札が順調な結果となったことを受けて買いが優勢だった。日本銀行の田村直樹審議委員の発言で早期利上げが意識され、一時売りが優勢になる場面もあった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは「リスクオフで買いが先行した」と語った上で、「超長期債はスピード調整や高値警戒感があって買いが入りにくい。流動性供給入札は無難から強めの結果だった」と話した。
新発国債利回り(午後3時時点)
この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。
--取材協力:アリス・フレンチ.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.