商品市場で最も成功しているヘッジファンド大手シタデルが、何年も回避してきた工業用金属分野に参入する。銅やスズなどの価格が記録的高値を付ける中、同社は方針を転換した。

関係者によると、ケン・グリフィン氏率いるシタデルは、金属を中核に据えた複数のコモディティーを運用対象とするポートフォリオマネジャーとして、イラン・アドラー氏を採用した。過熱する金属市場への関心が急速に高まる中、多くのファンドや商社が同分野への拡大を進めており、今回の動きもその一環とみられる。

シタデルのコモディティー事業は近年、多大な利益を上げており、2022年には約80億ドル(約1兆2000億円)を稼ぎ出した。この成功を受け、競合他社が相次いで同分野の人材を採用している。これまでシタデルは主にエネルギー市場に重点を置いており、米国で最大級の実物天然ガス取引業者の一角に成長していた。

今回のアドラー氏の採用は、競合他社による大規模な採用攻勢に比べれば控えめなものの、シタデルにとって方針転換を示す動きといえる。

同社は数年来、貴金属市場では活発に取引してきたが、銅や亜鉛といったベースメタル分野からは距離を置いていた。グレンコアやトラフィギュラ・グループのように大規模な生産資産を持つ既存業者との競争が難しく、収益機会が限られるとの見方が背景にあった。

しかしその姿勢は過去1年で変化した。トランプ米大統領による関税の脅しが金属市場の激しい変動を引き起こし、トレーダーに大きな収益機会が生まれたためだ。アドラー氏はブラジルのヘッジファンド、SPXキャピタルでパートナー兼コモディティー部門責任者を務めた経歴を持ち、リンクトインの情報によれば1月にシタデルに加わった。今後は金属と農産物に焦点を当てたチームを編成する見通しという。

シタデルの広報担当者はコメントを控えた。

原題:Citadel Joins Trading Rush Into Metals as Prices Soar to Records(抜粋)

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