財務省が28日に実施する40年国債入札に対して、財政懸念の高まりなどが超長期国債の再度の急落につながるとみて警戒する声が出ている。

今回の入札は、高市早苗首相が食料品に対する消費税を2年間ゼロにする方針を示し、国債利回りが過去最高水準まで急上昇した後、約1週間のタイミングで行われる。40年債利回りは20日、前日から25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)超上昇して発行開始以来の最高水準を付けた。

バークレイズ証券のストラテジスト、江原斐夫氏と門田真一郎氏はリポートで、財政に関するヘッドラインリスクが増しており、「先週のような金利上昇圧力がかかる可能性は否定できない」と指摘。入札は「弱めの結果」を想定している。

入札が不調に終わると長期ゾーンの債券が再び売られ、円にも売り圧力がかかる可能性がある。円安が進めばそれを阻止するために当局が円買い介入に踏み切るとの臆測が強まりかねない。

足元の国債相場は持ち直しているものの、2月8日の衆院選を控えて投資家はさらなる相場の変動に身構えている。立憲民主党と公明党が立ち上げた新党「中道改革連合」も「食料品消費税ゼロ」を掲げているため、選挙結果にかかわらず財政拡張が続く公算が大きい。

岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、入札の「環境は良くはない」と述べた。「選挙の結果も、その後どういう消費税減税に向かっていくのかも分からない。不確実性は投資家の慎重な姿勢を招くというのが基本的な見方」だと言う。

下げ基調にあった円相場は、政府が円買い介入に踏み切るとの観測が広がり先週末から急上昇、対ドルで昨年11月以来の高値を付けた。高市首相は25日、円安の進行と国債利回りの急上昇を受け、政府として必要に応じて対応する姿勢を示した。

高市政権と日銀は、市場が大きく動揺する事態を回避しながら選挙を迎える対応策を見いだすことに苦慮していると、事情に詳しい政府関係者が匿名を条件に語った。最近の世論調査では政権支持率がやや低下しており、衆院選の結果に不透明感が漂う。

来週実施される10年債と30年債の入札も、長いゾーンに対する投資家需要を見極める重要な試金石となる。

SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは「消費減税への懸念で選挙期間中に実施される国債入札への警戒感が強く、債券相場は調整地合いが強まっていく」と予想した。

--取材協力:山中英典.

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