(ブルームバーグ):トランプ米大統領であれば、SNSへのたった1回の投稿で世界の注目を集めることができる。一方で、メラニア夫人を題材にした新作ドキュメンタリー映画は、劇場の客席を埋めるのに苦戦している。
市場調査会社ボックスオフィス・ドット・コムは、映画「メラニア」公開後初の週末興行収入を100万-200万ドル(約1億5400万-3億800万円)と予測。チケット販売サイトを見ると、1月30日の公開初日以降も多くの座席に空きがある。ニュースサイトのパックによると、別の予測会社NRGは約500万ドルと見込んでいる。
この作品は昨年、アマゾン・ドット・コムのMGMスタジオが配給権を4000万ドルで取得したことでも話題になった。ただ、動画配信サービスの時代のドキュメンタリー作品が直面する他の作品と同様の課題を抱えている。多くの視聴者が、ノンフィクション作品については劇場公開に足を運ばないようになっている。
メラニアの公開は、トランプ氏の支持率が政権2期目として最低水準にある時期と重なる。また、政権が不法移民取り締まりを強化しているミネソタ州ミネアポリスでは今月、連邦当局の職員によってこれまでに米市民2人が射殺され、全米に反発が広がっている。
それでも、初期のチケット販売見通しからは、この作品がドキュメンタリー作品の控えめな基準としては健闘する可能性がうかがわれる。有名シェフ故アンソニー・ボーディン氏の生涯を描いた2021年公開の「ロードランナー」は、公開後初の週末興行収入が198万ドルと、ノンフィクション映画としては当時力強い成績と受け止められた。メラニアもおおむねそれに近い水準となりそうだ。
政治を題材にした映画が、ファンの共感を得ることもある。史上最高の興行収入を記録したドキュメンタリーは、01年9月11日の米同時テロ後のブッシュ(子)政権を批判的に描いたマイケル・ムーア監督の「華氏911」だ。興行収入ランキング10位には、保守系評論家ディネシュ・デスーザ氏による批判的作品「2016:オバマズ・アメリカ(2016: Obama’s America)」が入っている。
調査会社コムスコアの市場動向責任者、ポール・ダーガラベディアン氏は「ドキュメンタリーは別のカテゴリーに属しており、そのため興行成績への期待も、従来型の映画とは異なる」と述べた。
メラニアは、トランプ氏の2期目就任式までの20日間をフォーカス。夫人と大統領との関係を親密な視点で描く作品と位置づけられている。予告編の一場面では、メラニア夫人が電話を取り、夫に「大統領閣下」と呼びかけ、最近の公の場への出席を見逃したものの、「ニュースで見るつもり」と語る様子が映し出されている。
トランプ氏は26日、「『メラニア』は必見の映画だ」とSNSに投稿。「今すぐチケット購入を。急速に完売している!」とコメントした。

原題:‘Melania’ Film Debuts at a Low Ebb for Documentaries in Theaters(抜粋)
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