米国で今季最悪の冬の嵐が収束に向かう中、厳しい寒波の影響で同国最大の送電網が緊急事態に陥っており、記録的な電力需要に備えている。

ニュージャージー州からシカゴまで約6700万人に電力を供給するPJMインターコネクションは、27日の送電網緊急事態を宣言。電力需要が冬季として過去最高の147ギガワットを超える見通しを示した。30日には再び寒気が流れ込む見込みで、今月末まで140ギガワット超の高水準が続く可能性もある。これは大型原子炉約140基分の出力に相当する。

週末の冬の嵐の影響で、米国の広い範囲で気温が氷点下に冷え込んだ。航空便の欠航が相次ぎ、道路は雪に覆われ、100万戸以上の住宅や事業所が停電した。寒波は南部にも及び、全米の天然ガス生産の約12%が停止。発電所や家庭用暖房向けの燃料供給にも影響が出ている。

氷に覆われたテネシー州ナッシュビルの送電線(1月25日)

PJMのマイケル・ブライソン運用担当上級副社長は26日、ライト米エネルギー長官宛ての書簡で「この極端な電力需要と燃料供給の逼迫が重なれば、電力供給の信頼性と公共の安全を脅かす非常事態に陥る重大なリスクがある」と警告した。

PJMの「レベル1緊急事態」は、管内すべての発電所にフル稼働態勢を求めるもの。米エネルギー省は排出基準を超える場合でも一部の発電所に最大出力での運転を許可した。

これまでのところ、寒波による計画停電は回避されている。週末に発生した停電の大半は、氷や倒木など気象による送電線損傷が原因だった。しかし、国立気象局(NWS)によると、全米の広い地域では週末まで厳しい寒さが続く見通しで、過去数十年で「最も長く続く寒波」となる可能性がある。

ワシントンのレーガン・ナショナル空港では27日に最低気温がカ氏5度(セ氏マイナス15度)、シカゴではカ氏2度(セ氏マイナス17度)、ピッツバーグではカ氏0度(セ氏マイナス18度)まで下がる見込みだ。

26日夜の時点で、テネシー州、ミシシッピ州、ルイジアナ州を中心に約65万戸が停電していた。

 

原題:Power Grid for 67 Million at Risk as Deep Freeze Follows Storm(抜粋)

--取材協力:Lauren Rosenthal.

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