トランプ米大統領は26日、ミネソタ州での不法移民取り締まり政策に変更を加える考えを示唆した。取り締まりを強化している同州ミネアポリスで、今月これまでに2人の米市民が連邦当局の職員により射殺されたことを受け、全米に反発が広がっている。

トランプ氏は緊張緩和を図るため、政権で国境管理・移民送還を統括するトム・ホーマン氏をミネアポリスに派遣すると述べた。ホーマン氏は、ノーム国土安全保障長官ら他の強硬派と比べ、比較的穏健とみられている。

トランプ氏はまた、ミネソタ州のウォルズ知事(民主)らと電話で協議した。これまで「極めて無能だ」と酷評してきた民主党の同知事に対し、相次ぐ市民射殺について独立した調査を検討することや、州内に配置している連邦職員の数を減らす可能性を伝えたという。

大統領はその後、ミネアポリスのフライ市長(同)との会話について「非常に良かった」と表明。協議を継続するため」、ホーマン氏が27日に市長と会談する予定だと述べた。

ホワイトハウスは、州や地元の法執行機関が不法移民の拘束を支援するための追加的な「協力的措置」を講じた場合、税関・国境警備局(CBP)の要員をミネソタ州から撤収する可能性を示唆した。

事情に詳しい関係者の話では、最新の取り締まりの中心人物であるCBPのボビーノ司令官は27日にミネアポリスへ向かう見通しだ。

一連の発言などからは、移民取り締まりで最大限の圧力をかける政策が、移民当局に対する国民の信頼やトランプ氏自身の政治的立場を損なっている現状を大統領が認識しつつあることがうかがわれる。

ICEによる取り締まりに反対してミネアポリスで行われた抗議集会(1月25日)

各種世論調査では、大統領の支持率低下の傾向が示されており、11月の中間選挙を控える共和党にもリスクとなる。保守系のコメンテーターや利益団体からも、政権の主張の一部について公に疑問の声が上がりつつある。

一方で上院民主党は、移民取り締まり策に新たな制限が盛り込まれない限り、30日までの現行のつなぎ予算のうち、国土安全保障省の新たな予算案を支持できないと表明しており、連邦政府機関が再度の一部閉鎖に追い込まれるリスクが浮上している。

ミネアポリスで24日、集中治療室(ICU)の看護師だったアレックス・プレッティさんが連邦捜査官に押さえつけられ、銃で撃たれて死亡した後の対応を巡っては、政権当局者がプレッティさんを暴力的な扇動者だと描写したものの、それを否定する動画があることで批判が強まっている。

7日には、不法移民の取り締まり中だった移民・税関捜査局(ICE)職員が、車内にいたレネー・グッドさんを射殺。この問題を巡る政権当局者の発言が批判の的になっていることにもホワイトハウスは対応を迫られている。

米政治専門サイト、ポリティコの最近の世論調査では、米国人のほぼ半数がトランプ氏の不法移民強制送還キャンペーンは行き過ぎていると回答。トランプ氏支持者の3分の1は、取り組みの目標自体は支持する一方で、実施方法には賛同していないと答えた。

ミネソタ州知事選に立候補していた共和党のクリス・マデル氏は26日のSNSへの投稿で、相次ぐ市民射殺を受け、同州市民に対する同党の方針を支持することはできないとして、選挙戦からの撤退を表明した。

原題:Trump Signals Minnesota Strategy Shift After Public Outcry (2)(抜粋)

--取材協力:Josh Wingrove、Myles Miller.

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