(ブルームバーグ):世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)から帰国したカナダのマーク・カーニー首相は22日、閣議を前に国民向けに演説し、トランプ米大統領からの批判に反論した。
「ポピュリズムと民族ナショナリズムが台頭する時代にあって、カナダは多様性が弱みではなく強みになり得ることを示すことができる」と強調。
「カナダが世界のすべての問題を解決できるわけではない。しかし、別の道が可能であること、歴史の流れが権威主義や排除へと歪められる宿命にあるわけではないことを示すことはできる。進歩と正義へと向かう余地は、なお残されている」と述べた。首相は分断が進む世界秩序の中で、自国の役割を位置付けることを狙ったメッセージを送った。
20日にダボス会議で行った演説では、大国が小国に圧力をかけていると厳しく警告。中堅国が結束し、強硬な大国からの要求に対抗する必要があると訴えた。トランプ大統領を名指しすることは避けたものの、そのメッセージは、米国の関税措置といった経済的威圧を非難するものと広く受け止められた。
演説は政財界首脳らの共感を呼ぶとともに、同盟国との対立姿勢を強めるトランプ米大統領の対比が意識され、大きな話題を呼んだ。
これに対し、21日に演説したトランプ氏は、米国はカナダに防衛と安全保障を提供しており、もっと感謝されるべきだと主張。「カナダは米国のおかげで生きている。次に発言する時はそのことを忘れるな、マーク」とカーニー首相に矛先を向けた。
カーニー氏にとって、この日の演説は事実上の反論の場となった。「カナダと米国は、経済、安全保障、豊かな文化交流において、目覚ましいパートナーシップを築いてきた」としつつも、「しかし、カナダは米国のおかげで生きているわけではない。カナダが繁栄しているのは、私たちがカナダ人だからだ」と語った。
原題:Carney Warns of Authoritarian Rise, Rebuts Trump After Davos (1)(抜粋)
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