(ブルームバーグ):ベネズエラでは、米国の特殊部隊によるマドゥロ大統領拘束後も、権力を巡る動きは、表面上は以前と大きく変わらないように見える。
マドゥロ氏の側近を長年務めてきたデルシー・ロドリゲス氏は、暫定大統領としての役割を円滑に引き継いだ。ミラフローレス宮殿で高官との会合を主宰し、海外の特使を迎え、記者団に対応し、外交官と水面下で会談している。
表面上は継続性が見られる一方、実際はベネズエラ版社会主義であるチャベス主義の基盤が動き始めている。ロドリゲス氏が権力の集中を急ぎ、分裂した与党連合の立て直しを図っているためだ。
若干の変化もあった。ロドリゲス氏の一日は以前より早く始まるようになった。公の場での発言ははるかに簡潔になり、マドゥロ政権を象徴した長い演説は姿を消した。公職者はX(旧ツイッター)に再び投稿できるようになった。
一方で、より影響の大きい動きもある。内閣や治安機構の再編、数十人規模の政治犯の釈放だ。ある関係者によると、高官人事の決定はトランプ政権から好意的に受け止められている。
ベネズエラ情報省と米国務省にコメントを求めたが、今のところ反応はない。
米テュレーン大学教授でベネズエラ専門家のデービッド・スミルデ氏は「彼女は綱渡りをしている。チャベス主義陣営の結束を保とうとする一方で、米国の歓心も買おうとしている」と指摘。「今のところ成功している」とし、トランプ大統領も「かなり満足しているようだ」と分析した。
支持を示す動きも相次いでいる。13日には、マドゥロ氏の息子で国会議員のニコラス・マドゥロ・ゲラ氏が、首都カラカスで政府支持者に対し、父親と継母シリア・フローレス氏から、ロドリゲス氏と現在の政権運営チームへの信任を伝えるメッセージを受け取ったと明かした。

14日の別のデモでは、支持者が「デルシー、前進せよ。われわれは信頼している」と叫んだ。このスローガンは、ロドリゲス氏のアニメ画像を用いた国営テレビの広告でも繰り返されている。
水面下では、党指導部に明確な指示が出されている。「最優先で守るべきは結束だ」。マドゥロ氏拘束から数日後に開かれた非公開会合で一部の当局者にこう伝えられた。ブルームバーグ・ニュースはこの発言を、流出した文書で確認した。
これまでのところ、そのメッセージがロドリゲス暫定政権の表向きのイメージを形作っている。
「ロドリゲス氏は変化よりも結束を優先しようとしている」と、テュレーン大学のスミルデ教授は語った。
原題:Venezuela’s Rodríguez Consolidates Power After Maduro Ouster (2)(抜粋)
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