トランプ政権と米13州は、住宅向け電気料金の上昇を抑えるため、新たな発電所建設の資金をビッグテック企業に事実上、負担させる構想を推進している。

米国のライト・エネルギー長官とバーガム内務長官は16日、13州の知事とともに、全米最大の電力網運営会社PJMインターコネクションに対し、緊急入札の実施を求める計画の概要を発表した。テック企業が長期の電力契約を確保できるようにする狙いがあるという。

この枠組みはPJMに対する法的拘束力はないが、知事らは同社の電力網がカバーする全ての州を代表している。中には、コストが抑制されなければPJMからの離脱も辞さないと警告している州もある。

発表を行うライト・エネルギー長官とバーガム内務長官(1月16日、ワシントン)

この異例の取り組みには2つの狙いがある。第1に、人工知能(AI)ブームを支えるデータセンター向けに、24時間稼働が可能な新たな発電所の建設を加速させること。第2に、需要増加で消費者が支払う電気料金が上昇する中、その負担を誰が担うのかを巡る対立を和らげることだ。

バーガム氏は今回の方針について「消費者にとって手頃な電力料金を維持しつつ、経済活動の維持に必要な電力、とりわけAI分野の競争を支えるデータセンター向け電力を確保するという目標」を実現するため、PJMの対応を後押しする「いわば指針だ」と述べた。

緊急入札では、テック企業が新たな発電能力に対して15年契約で入札できるようになる見通しで、供給の確保と価格変動の抑制につながる。運営は、バージニア州からイリノイ州にまたがる電力網を管理するPJMが担う。

この入札により、約150億ドル(約2兆4000億円)規模の新しい発電所建設を支える契約が実現する見通しだ。ジェフリーズのリポートによれば、これはPJMの電力網に7.5ギガワットの発電能力を追加するのに十分な規模だという。1ギガワットは大型の原子炉1基分にほぼ相当する。

エネルギー省はファクトシートで、データセンターは「自らのために整備される新たな発電能力について、実際に電力を使用するかどうかにかかわらず、その費用を負担することになる」と説明した。

原題:Trump Pushes for Emergency Power Auction to Support AI Boom (2)(抜粋)

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