(ブルームバーグ):イランのアラグチ外相は、国営テレビのインタビューで、約2週間にわたる混乱を経て、治安当局が国内を「完全に掌握」していると述べた。全国規模の抗議行動に対して警察権力を行使したと主張しているが、真偽はまだ十分に検証されていない。
米ニュースサイトのアクシオスは、アラグチ氏とウィトコフ氏が会談の可能性を巡り協議したと報じた。事情に詳しい情報筋の話として、この動きは米国との緊張緩和を図るか、「少なくともトランプ氏が体制をさらに弱体化させる行動を命じる前に、時間稼ぎをする」イラン側の試みだとしている。
イラン政府系のタスニム通信によると、テヘラン外務省のバガエイ報道官は、アラグチ氏とトランプ氏のウィトコフ特使との連絡ルートが開かれていると語った。トランプ米大統領は11日、記者団に対し、抗議活動に対する死者を伴う弾圧の報道を受けて、米政府は対応策を検討しているとしつつ、イラン政府の指導部が協議を模索していると述べていた。
抗議活動は12日も続いている。国営テレビは12日、さまざまな都市で行われた政権支持派の集会の映像を流し、こうした集会が「国民の団結」を促し、最近の「テロ行為」を非難するため行われたと報じた。
一方、ソーシャルメディアに投稿された動画には、抗議参加者の葬儀の様子が映っており、参列者が最高指導者ハメネイ師の「死を」と叫ぶ声が聞こえた。ブルームバーグはこの映像の真偽を確認できていない。
昨年12月28日、通貨価値の急落を契機に発生した抗議は、親米政権を倒した1979年のイラン革命以来、ハメネイ師と政権に対する最大かつ最も暴力的な展開となっている。
イランの31州186都市でデモを追跡している米拠点の人権団体「ヒューマン・ライツ・アクティビスト・ニュース・エージェンシー」によると、抗議行動で540人以上が死亡、1万人以上が逮捕された。通信は引き続きほぼ遮断されており、運動の全容把握は難しい状態だ。市民の死者数について、政府からの公式発表はなされていない。
イラン産原油供給への懸念から、原油価格は上昇している。ブレント原油は8、9日に約6%急騰し、12日は1バレル=63ドル近辺で取引されている。
アラグチ氏はインタビューで、「暴徒とテロリスト」が「イスラム国(IS)式の暴力」を用いて警察官や市民を殺害したと語った。また、「米国とイスラエルがこのテロ戦争に干渉した証拠は多数存在する。イスラエルは直接的責任があり、米国も暴力を助長する発言を通じて責任がある」と主張した。
原題:Iran Claims It’s Quelled Protests Even as Unrest Continues (2)(抜粋)
(最新情報を追加し更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.