トランプ米政権が連邦準備制度(FRB)への攻撃を強め、独立性への懸念が高まったことで、12日の市場では「米国売り」の動きが強まった。

パウエルFRB議長が、刑事訴追の可能性は金融政策を巡る意見の相違が原因との認識を示したことを受け、ドルや米国債、米株価指数先物はいずれも下落した。下げ幅は比較的小さかったが、FRBの独立性と米国市場への影響が投資家の間で再び議論された。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ゲーリー・タン氏「FRBの独立性に疑問を投げかけるような動きは、米国の金融政策を巡る不確実性を高める」と指摘。「これは、ドルから分散投資を進める既存の流れを強め、金など伝統的なヘッジ資産への関心を高める可能性が高い」と述べた。

パウエル氏は11日、首都ワシントンにあるFRB本部の改修工事を巡る昨年6月の議会証言に関連して、刑事訴追の可能性を示唆する大陪審への召喚状を司法省から受け取ったと明らかにした。

ブルームバーグ・ドル指数は一時0.3%下落し、12月23日以来の大幅安となった。S&P500種株価指数先物は0.7%安。10年債も安い。利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.20%となり、このまま取引を終了すれば9月以来の高水準となる。30年債利回りは5ベーシスポイント上昇し、4.86%となった。

一部のストラテジストは、緊張が高まれば売りは一段と強まる可能性があると警告する。JPモルガン・アセット・マネジメントは、より積極的な利下げ観測を背景に米国債のイールドカーブが一段とスティープ化するリスクを指摘した。

議論の焦点は、過去数閏年にわたり政治的な介入から隔離されてきた米国の金利スタンスに対し、米国大統領はどこまで関与し得るのかという点にある。投資家の間では、米国資産やドルへのエクスポージャーを減らすべきかどうかについても議論が出ている。

UBS投資銀行のチーフストラテジスト、バーヌ・バウェジャ氏は「市場にとって、FRBの独立性を懸念するにはあまりにタイミングが悪い」と述べ、今後数カ月で米国のインフレ率が上昇する可能性が高いとの見方を示し、「今年に共通するテーマはドル安に加え、株式市場のボラティリティー上昇だ」と続けた。

原題:‘Sell America’ Trade Is Revived by Trump’s Latest Fed Attack (1)

(抜粋)

--取材協力:Richard Henderson、Matthew Burgess.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.