国内企業の社債発行が活発だ。成長投資などによる企業の資金需要は旺盛で、2025年の発行総額は過去最高を更新、26年も記録を塗り替える可能性がある。

ブルームバーグのデータによると、25年に国内で発行された円建て社債は約16兆5000億円。前年に続きさかのぼることができる1999年以降で最高となった。

日本銀行の利上げや世界的な財政拡大を背景に、社債の値決めの基準となる国債の値動きが荒くなり、相対的に安定した社債に投資家の視線が向かいやすい。国債の利回りが10年超ぶりの高水準になったことに連動して社債の最終利回りも上昇し、投資魅力が高まっている。企業側も合併・買収(M&A)や借り換え需要に加え、金利がさらに上昇する前に長期資金を確保したいとして発行に積極的だ。

投資家と企業の双方が前向きな姿勢であることから、社債の発行は26年も高水準が続くとみられている。大和証券の大津大デット・キャピタルマーケット第3部担当部長は、26年の社債発行額は「25年と同水準、もしくはやや上回る」とみている。金利の上昇に伴い、年限が短い債券の発行増加といった変化はあるが「実際にさまざまな企業と話をしても発行のニーズが潜在的に強いと感じている」と語った。

社債の主要な買い手である機関投資家だけでなく、個人投資家の存在も発行額の増大を後押しする。みずほ証券の小出昌弘キャピタルマーケット本部副本部長は、個人向け社債は「発行体の裾野が広がっており、今後もさらに拡大する」とみている。

国内企業による個人向け社債の年間発行額は25年に過去最高を更新した。金利上昇を背景に個人の社債への関心が高まり、ソフトバンクグループは昨年12月に5000億円の個人向け社債を発行した。利率は年3.98%と同社の円建て普通社債としては過去15年余りで最高水準となった。

みずほ証の小出氏は、M&Aや人工知能(AI)を中心としたIT関連投資の増加も企業に社債での資金調達を促すと指摘する。野村証券の河田寿キャピタル・マーケット部DCMグループ次長は、M&Aなどでの大型の資金調達に活用されやすい劣後債は26年度の償還額が多く、リファイナンスもある程度発行を押し上げるとの見方を示した。

もっとも、金利上昇は発行コストの増加につながるため、高水準の発行は日銀が緩やかに利上げをしていくことが前提となる。スワップ市場で次回利上げが完全に織り込まれているのは26年後半だ。

小出氏は、調達コストが急騰すれば26年の発行額は微減となる可能性もあると言う。大津氏も市場は予見性の低下を嫌うとし、想定を超える金利上昇は発行企業に資金調達計画の見直しを迫るリスクがあると指摘した。

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