2026年の日本経済が本格的に始動しました。株式市場では、6日に平均株価が最高値を更新するなど幸先の良いスタートとなりましたが、暮らし向きという点で言えば、実質賃金がプラスに転換するかどうかが、最大の焦点です。3年半にわたって、実質賃金マイナスが続くという異常事態を脱することは、日本経済成長のためにも、日銀が言う基調的物価上昇のためにも、欠かせないからです。

11月の実質賃金マイナス2.8%

8日に発表された毎月勤労統計によれば、25年11月の現金給与総額(名目賃金)は前年同月比で0.5%上昇しました。しかし、帰属家賃を除く消費者物価が3.3%も上昇したことから、物価上昇分を除いた実質賃金は2.8%もの大きな下落となりました。実質賃金の下落は11か月連続で、25年通年でも相当なマイナスになることが確実です。

日本にインフレの波が押し寄せたのは、ウクライナ危機で資源や食糧の輸入価格高騰が始まった2022年4月のことでした。不可能と思われていた「物価上昇率2%の壁」を、数字の上では、ついに上回ったのでした。しかし、それ以降、物価上昇に賃金が追い付かない状況が続き、その後3年8か月にわたって、4回の例外(ボーナス時期である24年6・7・11・12月)を除いて、一貫して実質賃金のマイナスが続いていて来ました。異例の長さです。

「景気は緩やかに回復」、「デフレから脱却へ」などと、はやしたてたところで、実質所得は目減りしてきたのです。インフレ経済への移行のために、家計が犠牲にされてきたとも言えます。