(ブルームバーグ):プライベートクレジット市場で資金供給を担う事業開発会社(BDC)の株価パフォーマンスは、今年、S&P500種株価指数を2020年以降で最も大きく下回る見通しだ。1兆7000億ドル(約265兆円)規模の同市場の将来性に疑問を投げ掛ける投資家も出てきている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、直接融資を手掛ける41の投資ビークルを追跡するクリフウォーターBDC指数は、12月24日までに年初来約6.6%下落した。一方、S&P500種は約18.1%の上昇だった。2023年と2024年には、BDC指数はそれぞれ約25.4%、14.1%上昇していた。

BDCは相次ぐ利下げや市場の混乱、ストレス拡大の兆候といった要因に影響されてきた。取引件数が低調な中、ノンバンクの貸し手は融資利幅の圧縮を強いられ、収益機会が細っている。
米金融政策当局は来年も利下げを続けるとの見通しの中、資産運用会社はBDCの投資価値を改めて示す必要に迫られている。ウェルズ・ファーゴのデータでは、プライベートクレジット取引の平均スプレッドは、2023年第1四半期の650ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から500bp未満に縮小した。
デビッドソン・ケンプナーのマネジングパートナー兼最高投資責任者、トニー・ヨーセロフ氏は、「問題なのは直接的な企業融資が2桁リターンを見込める資産クラスとして売り込まれてきたものの、現状はそうではない点だ」と指摘。 「リターンが低下するにつれ、1桁台半ばから後半のリターンの資産クラスに近づいていくだろう」と続けた。
原題:BDCs’ Worst Year Since 2020 Has Some Branding the Funds Obsolete
(抜粋)
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