米ゴールドマン・サックス・グループは、人工知能(AI)向けの専用電力キャンパスを建設するテキサス州のプロジェクトで、資金調達を他社と共同で主導している。

開発を手掛けるグリッドフリーAIによると、ゴールドマンは不動産アドバイザリー・サービス会社ニューマーク・グループと連携し、ダラス南部のデータセンター群に電力を供給するモジュール型の天然ガス火力発電設備を建設するプロジェクトに関して、エクイティーとクレジットの両面での資金調達を主導している。ニューマークは、このデータ拠点「サウス・ダラス・ワン」の専属マーケティング担当兼アドバイザーにも起用された。

グリッドフリーAIを立ち上げたモントーク・キャピタルのフィリップ・クリム最高経営責任者(CEO)によると、初回の資金調達ラウンドでは、「数億ドル規模」の確保を目指し、その後に最初のプロジェクトの拡張に合わせて追加の調達ラウンドを実施する計画だという。

ゴールドマンはコメントを控えた。

トーマス・エジソンが19世紀に構築した送電網を基盤とする米国の電力システムは、現代経済の電力需要に対応しきれなくなっている。老朽化したインフラは、異常気象や前例のない需要増にさらされており、米国の広範な地域で、電気料金の上昇と停電リスクの高まりという二重の負担が消費者に重くのしかかっている。

クリム氏は、「エジソンの電力網は、こうした規模のデータセンターを想定して造られていない」と指摘。「エネルギー密度が高く、膨大な電力を消費するデータセンターの特性を踏まえ、エネルギーの専門家がAI向けデータセンターを構築する会社を立ち上げようという結論に至った」と語った。

グリッドフリーAIは約1年前に設立され、ラルフ・アレクサンダー氏が最高経営責任者(CEO)を務めている。原子力技術者でもある同氏は、以前はタレン・エナジーのCEOとして、ペンシルベニア州のサスケハナ原子力発電所に隣接するデータセンターキャンパスの開発を主導した。

アレクサンダー氏は声明で、「サウス・ダラス・ワンは、AI対応インフラの未来を体現している。迅速な展開が可能で、設計上の強靱(きょうじん)性を備え、業界の足かせとなっている送電網の制約から切り離されている」と述べた。

3カ所のうち2カ所で用地を確保済みで、グリッドフリーによると、賃貸契約の締結から24カ月未満で初期の電力供給を開始できる見込みだ。これはテキサス州の電力網への接続を待つよりも大幅に早い。各拠点は約1.5ギガワットの電力容量を備え、データセンターを収容する施設が建設される。

原題:Goldman Helps Lead Financing for 5-Gigawatt Texas AI Power Sites(抜粋)

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