(ブルームバーグ):米政府は23日、寒波と主要プラントでの停電でプロパン供給が逼迫(ひっぱく)している米北東部に対し、暖房用燃料の緊急輸送措置を延長すると発表した。また、措置の対象も拡大した。
米運輸省傘下の連邦自動車運輸安全局(FMCSA)は、緊急事態宣言を2026年1月15日まで延長した。今月12日に発出された同宣言は当初、26日深夜に失効する予定だった。この措置により、北東部で暖房用燃料を輸送するドライバーの休憩なしで運転できる時間を定めた規制が一時解除される。
今回の措置は、在庫確保とトラック輸送の円滑化で、プラントの混乱に伴う影響を和らげ、燃料不足を防ぐことが狙い。プロパン、天然ガス、暖房油などの燃料が対象となる。北東部で住宅暖房にこれらの燃料を使う世帯は少数派だが、予報では寒波が見込まれており、供給を滞らせないことが極めて重要になる。
当初の対象地域はニューヨーク、ニュージャージー、デラウェア、ペンシルベニアの4州だったが、コネティカット、メリーランド、マサチューセッツ、ニューハンプシャー、ウェストバージニアの5州が新たに加えられた。
問題の発端は、11月19日にペンシルベニア州にあるエナジー・トランスファーのマーカスフック・ターミナルで発生した変圧器の故障だった。全米プロパンガス協会の声明によれば、同施設では停電のため3日間にわたってトラックへのプロパン積み込みができなくなり、同社は不可抗力を宣言した。
緊急措置が打ち出されて以来、エナジー・トランスファーに何度かコメントを要請したが、同社の返答は得られていない。
原題:US Expands Northeast Energy Emergency on Plant Outage, Cold (1)(抜粋)
--取材協力:Naureen S Malik.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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