(ブルームバーグ):米サブプライム(信用力の低い個人向け)自動車ローン会社トライカラー・ホールディングスの破綻を巡り、詐欺罪などで先に起訴された創業者のダニエル・チュー被告が、破綻前の1年間に約3000万ドル(現行レートで約47億円)の報酬を受け取っていたことが、会社の清算を監督する管財人が提起した訴訟で明らかになった。
管財人のアン・バーンズ氏は裁判所に先週提出した書類で、チュー被告が「会社資金を使ってぜいたくな私的支出を賄い、役員報酬に上乗せして数千万ドルのボーナスを会社に支払わせることでトライカラーを欺いた」と主張した。報酬は「卓越した財務実績を生み出す能力を前提としていたが、その実績は詐欺の産物だった」としている。
こうした支払いは、テキサス州ダラス、カリフォルニア州ビバリーヒルズ、フロリダ州マイアミにある総額約3800万ドル相当の高級住宅や、プライベートジェットでの移動、欧州旅行など管財人がぜいたくと評した生活の資金になったという。
チュー被告の代理人であるマシュー・シュワルツ弁護士は声明で、「チュー氏に対する過去数日間の主張の多くは不正確で著しく的外れだ。真実が示されれば、その点は明確になる」とコメント。「法廷での完全かつ公正な審理を期待している」としている。
チュー被告と同社の元最高執行責任者(COO)は、トライカラーを「組織的な詐欺」で運営していたとして先週起訴された。別の元幹部2人は詐欺罪を認めている。
管財人はチュー被告について、長年にわたり事業用のアメリカン・エキスプレス(アメックス)のカードで数百万ドルを決済し、皮膚再生治療やビタミン点滴、歯科治療などに充てていたと主張。書類では、ニューヨークの「NOBU」やダラスの「Carbone」などの高級レストランにも頻繁に通っていたとしている。
原題:Tricolor Paid CEO $30 Million in Year Before Alleged Fraud (1)(抜粋)
--取材協力:William Selway.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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