野村アセットマネジメントは、海外拠点に派遣する社員を数十人規模で増やす方針だ。グローバルに活躍できる人材を育成し、運用や販売体制の強化を図る。

小池広靖社長がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。海外拠点に派遣している社員は現在約30人。これを大幅に増やす。派遣先はニューヨークやロンドン、シンガポールなどの現地拠点のほか、豪マッコーリー・グループ傘下の米資産運用会社など親会社である野村ホールディングス(HD)の買収先も視野に入れている。

小池社長は「積極的にトレーニーとして出したり異動させたりして、グローバル人材の育成に相当力を入れていきたい」と狙いを述べた。担当業務や経験する内容に応じて、派遣先や期間をそれぞれ設定し、グローバルな運用や販売、経営のための人材育成を目指す。

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

少額投資非課税制度(NISA)をきっかけに国民の投資への関心が広がる中、資産運用会社にとっては世界の投資家から資金を集めるとともに、外国株などの自社運用の強化が課題の一つだ。金融庁が今年2月に公表したリポートによると、日本の運用会社の受託残高は世界大手と比べて見劣りしており、サービスの質の向上において差を生む可能性があると言及している。

小池社長は「グローバルな運用力を高めていかないと存在価値がなくなる」との危機感も示した。

野村AMの9月末時点での運用資産残高は99兆7000億円と100兆円の大台に迫る。ただ、米ブラック・ロックの24年12月末の運用資産残高は11兆6000億ドル(約1800兆円)と世界上位の運用会社と比べると差がある。

野村HDは12月1日付でマッコーリー・アセット・マネジメント傘下の米資産運用会社の株式取得を完了した。対象事業の運用資産残高は約26兆円。中長期的には事業統合を通じた資産残高の拡大のほか、米欧での運用力や販売網の強みを生かすことでビジネスの幅が広がるとみている。

小池社長は今回の買収によって「5年後、10年後には様替わりした運用会社に成長できるチャンス」と期待を込める。トレーニーの派遣先としても想定しており、これまでも野村HDが出資する米資産運用大手アメリカン・センチュリー・インベストメンツにもトレーニー4人を送り出すなどしてきた。

小池氏は運用資産残高の100兆円については「一つのベンチマークではあるが、本当にわれわれはこのままでいいのかという議論を社内で始めている」と指摘。海外派遣によって個人の運用能力を高めるなどして「世界を代表する米国株のファンドマネジャーが東京にいる。これが資産運用立国を突き詰めた形だ」と語った。

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