(ブルームバーグ):米銀JPモルガン・チェースは8日、戦略的問題に関するジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)や幹部陣への助言役といった幅広い役割で、バークシャー・ハザウェイ幹部のトッド・コームズ氏を起用すると明らかにした。
発表された声明によると、米国の経済安全保障を強化する企業に対して直接的な株式投資を通じて総額100億ドル(約1兆6000億円)の自己資本を投じるというJPモルガンの取り組みについても、同氏が統括する。体制変更の一環として、この取り組みを支援する新たな評議会も設置され、アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏やフォード・モーターのジム・ファーリーCEOらがメンバーに加わる。
バークシャーで自動車保険会社GEICO(ガイコ)のCEOおよびポートフォリオマネジャーを務めたコームズ氏(54)は、すでにJPモルガンと深い関係を築いている。ダイモン氏がオマハ訪問時にコームズ氏に感銘を受けたことをきっかけに、コームズ氏は2016年にJPモルガンの取締役会に参加。またJPモルガン、アマゾン、バークシャーが2018年に立ち上げたヘルスケア合弁事業でもコームズ氏は重要な役割を果たした。同プロジェクトは3年後に終了した。
年内でバークシャーのCEO職を退くウォーレン・バフェット氏は、コームズ氏の起用について「JPモルガンはいつもそうだが、良い決断を下した」と、別の声明で述べた。
コームズ氏がJPモルガンに転身することで、バークシャーにとってはバフェット氏がグレッグ・アベル氏にCEOの座を引き継ぐ準備を進める中で、投資マネジャーが1人不足することになる。コームズ氏はバフェット体制下のバークシャーで2人しかいない投資マネジャーの1人だった。
同社はこの日、バフェット氏の退任を控え、長年のベテランであるマーク・ハンバーグ最高財務責任者(CFO)の退任を含め、複数の経営陣の人事変更を発表した。
ハンバーグ氏は来年、CFO職をチャールズ・チャン氏に引き継ぎ、2027年に40年にわたるバークシャー在籍に幕を下ろす。一方、ナンシー・ピアース氏がガイコのCEOに就任し、JPモルガンに転じるコームズ氏の後を引き継ぐ。
投資のベテラン
JPモルガンは10月、今後10年間で国家の経済安全保障に不可欠な産業に1兆5000億ドルを投じる方針を発表。同行が「安全保障および強じん性イニシアチブ」と呼ぶこの取り組みの一部についても、コームズ氏が起用された。
この資金拠出の確約と並行して、コームズ氏が率いる戦略投資グループは、重要鉱物といった主要セクターにおける戦略的製造の加速、事業拡大やイノベーションを後押しするため、特定企業に対して同行の自己資本最大100億ドルを投資する。
コームズ氏の着任は2026年1月で、ダイモンCEOの直属となる。これまで務めていたJPモルガンの取締役は退任した。
「コームズ氏は我々の時代で最も尊敬され、最も成功した長期投資家であるウォーレン・バフェット氏と共に投資を手がけてきた人物であり、この役割に理想的な人材だ」と、ダイモン氏は声明で述べた。
同氏はまた、商業銀行部門と投資銀行部門の共同CEOであり、かねてよりダイモン氏の後継候補と目されてきたダグ・ペトノ氏とトロイ・ローボー氏を含む幹部陣とも緊密に連携する。
原題:JPMorgan Hires Berkshire’s Combs for Investing, Adviser Role (1)、Berkshire Finance Chief to Retire as Post-Buffett Era Approaches(抜粋)
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