(ブルームバーグ):創業わずか2カ月のスタートアップ、アンコンベンショナルAIが、企業価値45億ドル(約7000億円)の評価でシード資金を調達した。人工知能(AI)向けの新たな省電力型コンピューター開発を目指す取り組みが評価された。
データブリックスの元AI部門責任者ナビーン・ラオ氏が立ち上げた同社は、投資家から4億7500万ドルを調達した。同ラウンドはアンドリーセン・ホロウィッツとライトスピード・ベンチャー・パートナーズが共同で率い、ラックス・キャピタルやDCVCも参加した。データブリックスに加え、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏も出資。ラオ氏自身も他の投資家と同じ条件で1000万ドルを投じたという。
ラオ氏によれば、今回の資金調達は最大10億ドル規模に達する見込みの大型調達の第1弾にあたる。同社は今後、追加でどの程度調達するかを検討するという。一部の詳細については、ハイテク情報サイトのテッククランチが先に報じていた。
OpenAIの「ChatGPT」のようなチャットボットを支える大規模言語モデル(LLM)への需要が急増するなか、業界は「スケーリング則」と呼ばれる考え方を前提にしてきた。計算能力やデータ量、モデル規模を拡大すればAIの性能が向上するというものだ。しかし需要がさらに伸び続ければ、計算資源と電力供給はますます制約を受けることになる。
ラオ氏は、こうした制約こそがアンコンベンショナルAIが取り組むべき課題だとみている。コンピューターの構造そのものを見直し、AIに最適化した効率的な設計を施すことで、供給可能な電力量の範囲内でも拡張を続けられる仕組みを構築できると考えている。
原題:AI Computer Startup Hits $4.5 Billion Valuation in Seed Round(抜粋)
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