(ブルームバーグ):ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン(VW)は、ドレスデンにある小規模組立工場で自動車生産を停止後、同工場をイノベーション拠点に転換する計画だ。同社は昨年、国内工場閉鎖を回避することで労働組合と合意しており、その約束を履行する。
4日のVWの発表によれば、同社はザクセン州政府およびドレスデンの工科大学と、人工知能(AI)・ロボット工学・半導体設計分野のプログラムを備えたスタートアップおよび研究センターを開発することで基本合意書を締結。同社と同大学は今後7年間で5000万ユーロ(約90億1750万円)余りを同拠点に投資する計画だ。
VWは昨年、高コストと需要減退を理由に3つの工場を閉鎖する計画を掲げ、ドイツの強力な労働組合と対峙(たいじ)した。実行していれば、同社にとって本国では初の工場閉鎖となるはずだった。同社の監査役会に議席を持つ従業員代表との厳しい交渉の末、VWは譲歩し、工場を維持する一方で自発的措置によって国内で人員を減らす方針に転じた。
閉鎖対象となった不振拠点の一つであるドレスデン工場は2001年に開設され、高級車の生産工程を一般公開し、顧客にVWブランドをアピールしてきた。年間約6000台を組み立てており、本格的な生産拠点というより展示場としての役割が大きい。
原題:Volkswagen to Keep Dresden Site Open as AI, Chip Tech Center(抜粋)
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