米政府がインテル株を最大10%取得する計画を打ち出してから4カ月経過した中、同社の株価は23日に一時18%の大幅安を記録した。株価急落は、トランプ大統領が描く米主要企業主導の国内半導体製造業の再建構想に現実の壁を突きつけている。

リップブー・タン最高経営責任者(CEO)は、大統領の信頼を勝ち取り、ワシントンでの自身の評価を守ることには成功したものの、同社の立て直しは容易ではないことが浮き彫りになりつつある。インテル株は23日、主要顧客の確保に苦戦している現状を示す低調な業績見通しを受け、前日比17%安の45.07ドルで終了。下落率は2024年以来で最大を記録した。

 

わずか数週間前には、トランプ氏は米政府投資の初期成果を評価し、同社が進展しており、CEOについて「非常に成功している」と称賛していた。しかし、タン氏は22日に四半期決算を発表した後に投資家に対し、より慎重な口調で現状を説明した。

タン氏はアナリスト向け決算説明会で「われわれは数年にわたる道のりの途中にある」と述べ、「時間と覚悟が必要になるが、私とチームはこの象徴的な米国企業を再建することに全力で取り組んでいる」と語った。

インテルが示した1-3月(第1四半期)の売上高と利益の見通しは、ウォール街の予想を大きく下回った。同社はまた、最先端の14Aプロセスについて、依然として中核となる顧客を確保できていないことを明らかにした。一方で、今年後半または27年前半には、顧客からより確かな判断が得られるとの見通しを示した。

リップブー・タン最高経営責任者

タン氏は投資家に対し、歩留まり率(総生産能力に対する良品チップの割合)が自身の期待を下回っていることも認めた。歩留まりは半導体製造の中核指標であり、低水準が続けば利益率を圧迫し、外部顧客向けにチップを製造するファウンドリー事業の潜在顧客を遠ざける恐れがある。

アドバイザーズ・キャピタル・マネジメントのパートナーでポートフォリオマネジャーを務めるジョアン・フィーニー氏は、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「顧客は、製造プロセスが確実に供給できると分からない限り、契約を確定させない」と指摘した。

米政府がインテルの主要株主の一角になる計画が浮上して以降、同社株は2倍以上に上昇していたが、今回の見通しで上昇分の一部が失われた。現時点で米政府はインテル株の5.5%を保有しており、その価値はおよそ120億ドルに相当する。将来的に追加取得する選択肢も残されている。

ホワイトハウスのデサイ報道官は声明で、トランプ氏は「重要製造業の国内回帰を進め、関税、減税、規制緩和といった包括的な政策手段で米国企業を支援する方針を堅持している」と説明。その上で、インテルへの出資について「米国の技術と製造業の長期的成功に投資していることを象徴するものだ」と強調した。

原題:Intel’s Stock Meltdown Risks Eroding Trump-Endorsed Comeback (1)(抜粋)

--取材協力:Ian King、Edward Ludlow、Caroline Hyde.

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