トヨタ自動車は5日、ハイブリッドシステムを搭載し、最高出力650馬力以上のスーパーカー「GR GT」など3台の新型スポーツカーを発表した。「2000GT」、「LFA」に続く同社スポーツカーのフラッグシップモデルと位置付ける。

発表によると、「GR GT」は新開発のV型8気筒ツインターボエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載する。軽量・高剛性を実現するためトヨタとして初めてオールアルミニウム骨格を採用する。「GR GT」をベースにしたレーシングカー「GR GT3」も発表し、2027年頃の発売を目指し両モデルの開発を進めているとした。

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また、高級ブランド「レクサス」でGR GT・GR GT3と核となる技術などを共有する電気自動車(EV)「LFA Concept」も発表した。

ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは、3台もの市販化を前提としたスポーツカーを発表できるトヨタの豊富な資金と人材などに「感服」したと評した。その反面、トヨタにとっての「フラッグシップ・スポーツカー」は何なのかという点では「いささか混乱」するとの見方を示した。

トヨタはレーシングドライバーでもある豊田章男会長の主導の下、「86(ハチロク)」や「スープラ」といったモデルを復活させたほか、スポーツカーブランド「GR」を立ち上げるなどスポーツカーの復権に努めてきた。また、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げ、レース参戦で得た知見を市販車開発にも生かしてきた。

豊田会長はトヨタの実験都市「ウーブン・シティ」で開いた発表会で、かつては参戦したレースで他社の車に前を走られ悔しい思いをしたと振り返り、それは「間違いなく今も私の原動力だ」と述べた。「私たちはその悔しさを原動力に『もっといいクルマづくり』をひたすら続けてきた」と続けた。

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