(ブルームバーグ):化粧品小売りの米アルタ・ビューティーは、市場予想を上回る8-10月(第3四半期)決算を発表したほか、通期業績予想を引き上げた。消費者が支出へのためらいを抑え、化粧品やヘアケア用品に積極的にお金を使っている兆候だ。
通期の既存店売上高を最大4.7%増と予想。8月時点の予想は最大3.5%増だった。純売上高および1株利益(EPS)の見通しも上方修正した。
これは米国の化粧品需要が経済の不透明感や消費者心理の悪化にもかかわらず堅調であることを改めて示し、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)後に起きた美容ブームが継続していることを裏付ける。
株価はニューヨーク時間4日午後4時25分(日本時間5日午前6時25分)時点の時間外取引で4.9%上昇。同日終値時点での年初来上昇率は23%に達している。
米国の消費者は、新型コロナによるロックダウンや移動制限の中で習慣化した入念なスキンケアのルーティンを今も続ける。幾つかの香水を使って自分だけの香りを作るレイヤリングという新たなトレンドも依然として人気だ。
ケシア・スティールマン最高経営責任者(CEO)は、この機を捉えて人気のロイヤルティ-プログラムを拡充し、オンラインサイトを立ち上げ、海外販売の強化にも乗り出している。11月には中東初となる店舗をクウェートにオープンし、今後数カ月でアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアへの出店も計画する。
8-10月の純売上高は13%増となった。化粧品の需要増に加え、英国およびアイルランドで展開する美容小売りのスペースNK買収が寄与した。同社は市場シェアの拡大とオンライン販売の「著しい伸び」があったと説明した。
一方で、スティールマン氏は「年末商戦の重要な時期を前に、多くの消費者は財布のひもを締め価値重視になっている」と述べ、引き続き慎重な姿勢も示した。
香水の価格は高めでも、多くの化粧品は比較的安く消費者の予算に収まりやすいことが、同社の成長を支えている。
原題:Ulta Raises Outlook as Demand for Cosmetics Remains Robust (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2025 Bloomberg L.P.